Vol. 21
2007/July/8
盗掘(その1)
これは打製石器です。おそらくナイフとして使用したのでしょう。右手で持つとぴったりするので、右利きに人が使用したのでしょう(私は左利きなので気になるのです)。意外と小振りで私の手には少し小さ過ぎるような気もします。考えるに当時の人々の身長が150cm前後、もしくはそれ以下(私は180cmあります)であったろうと思うとそれほど小さくないのかもしれませんし、もしかすると持ち主は女性だったかも知れないなどと、どんどんと想像が膨らみます。
年代は分かりませんが磨製石器よりは古いことは間違いはないでしょう。1万年くらい前ならば当時北海道は大陸と地続きだったので、可能性として北方のマンモスのような大型動物の解体に利用したかもしれない等と勝手に想像してしまいます。
右手で持つとピッタリします。意外と小さい
こちらの小さいものは黒曜石でつくられています。真ん中のものは先端が尖っていますが矢じりにしては小さ過ぎるよるです。何かに穴を開ける目的で使用されたものなのでしょうか?一番左側のものは鋭利な断端を持つのでちょっとした小物を切断するときに使用したのでしょうか?
先ほどの石器(一番右側)と並べてみました。
その後祖父は亡くなり、同居していた伯父が管理していたはずですが家を建て直した事もあり、今はどこにしまってあるのか伯父もよくわかっていないようです。
先日父親の法事であったときにこのことが話題になりました。
「あれって、いわゆる遺跡の盗掘にならないのですか?」と尋ねてみたら
「そうだなー、そうなるんだろうなー」と呑気なお返事。
「でも、あのような石器などを返還(?)しようかなと思って、しかるべきところに問い合わせても『そういった問い合わせが多過ぎて管理できない』と言われちゃったんだよねー」とのことでした。
まあこんなものかもしれませんね。確かに我々が使っているスプーンも1万年後には「過去の貴重な文化財」となるのかもしれませんが、、、。祖父の遺品には明治時期の錦絵のようなものや、他にも面白そうなものが色々あったと思います。もし訪問する機会があったらガサガサと家捜しをしてしまいそうです。