分類不能項目


Vol. 72

 

2017. May.9

 ラッシュアワー


 ウチのセガレも大学に入り毎日電車に乗って通学しております。しかし一つ問題。新宿方面に向かうのに中央線快速電車を使用することなのです。セガレいわく「混んでいて、とてもやってられないよ」とのことです。座れないのは当然として、そんなに大変なのかと調べてみました。
 そうすると中央線快速電車の中野−新宿の8時〜9時における混雑率は190%とのことです。セガレはこれと少し時間がずれていますが、それでも混んでいることに違いはないようです。
ちなみに国土交通省では以下のように定義している。

・混雑率100%
・・・定員乗車(座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の手すりにつかまる事ができる)

・混雑率150%
・・・広げて楽に新聞を読める

・混雑率180%
・・・折りたたむなど無理をすれば新聞を読める

・混雑率200%
・・・体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める

・混雑率250%
・・・電車が揺れる度にからだが斜めになって身動きができず、手も動かせない。 

ということからセガレの乗る時間帯ではおよそ180%位なのかあといった感じです。

しかし!私がかつて利用していた常磐線快速電車上り 松戸ー日暮里間はそんなものではなかったぞえ


記憶をさかのぼって必死に思い出しました。

 確か朝は7時16分ごろに松戸駅に到着しました。すると18分発の上り電車がやってきます。ところがこの列車にはまず乗れません。なぜならホームには既に大勢の人々が列をなしているからです。実際に乗車できるのは次に来る21分発の電車です。通常はそれに乗車するのですが、ひどい混雑の時はそれすら乗車できないことがありました。

 まあ乗車するとギュウギュウ詰めというのがぴったりの表現でした。体が触れて当たり前。無理して新聞などを読んでいる方もおられましたが相当無理があったと思います。ある日、あまりに混雑がひどいので試しに両足をひょいと曲げてみました。するとどうでしょう!私の体が宙に浮いてしまうのでした。周りから圧迫されているので足を浮かしても体は宙に浮いたままなのでした。これはさすがにびっくりしました。

 まあ背が高い私は混雑していても顔は空間に出ていたので良いのですが体の小さい女性は完全に人々の中に埋もれているというか埋没した状態なので気の毒でした。

 雨の日は皆さん着膨れしているし、傘もあるので混雑はいっそうでした。濡れた傘を車内に持ち込むと人々の衣服で拭われるのか下車したときには傘はすっかり乾いていたということもありました。

 涼しいときはまだましですが、夏場は地獄です。なぜなら当時(昭和53年=1978年ごろ)の常磐線は冷房率が半分くらいで、半数は冷房なしの扇風機だけ!といった具合でした。なので非冷房車に乗るとサウナのような状態で、窓は全開にして走るといった状況でした。

 あまりの混雑で押された拍子にご婦人が座っている乗客のひざの上に座り込んでしまうような状態になってしまったこともありました。これは二人とも困っていましたがどうしようもありませんでした。
 さらに、混雑のあまり窓ガラスが割れてしまったこともあったと記憶しています。このときは応急処置をして再び運行を続けたような気がします

 以上のことから当時の乗車率は時に250%に達したのではなかろうかと思います。よくもまあそんな電車に乗っていたものです。私は浪人時代だけだったけれど長年通勤に利用いた方々は本当に大変だったと思います。

 さすがに近年はイロイロ対策を講じてあれほどのラッシュはないようです。あんな状況がいつまでも続くとは思えませんよね。

 そう言えば思い出したついでに

 日暮里駅で乗り換えのために降りると、皆さん一斉にタバコに火をつけたものです。そうしてそのまま乗り換えの跨線橋を上っていくのですが、跨線橋がタバコの煙でもうもうと煙幕を張るようになったものです。また当時はホーム脇の線路上はタバコの吸い殻でいっぱいでした。
 今では線路上に吸い殻なんて見ることはないです。当時を知るものにとっては別世界の様な気がします。(ついでに喫煙者が減ったためでしょう。ホームにかつて置いてあった「痰壷」も今は見ることはないです)

セガレに「父のころはあんなものじゃなかったんだぞ」と言っても説得力ゼロです。
よく「昔は良かった」ということがありますが、通勤電車に関しては昔はヒドかったです

ところでセガレはというと最近は快速電車は使わず比較的すいている各駅停車を利用しているようです。