分類不能項目


Vol. 70

 

2017. Mar.12

 予備校物語


 数年前のことですがウチのムスコもそろそろ大学受験もアタマに入れて塾というか予備校に通おうかなーということになり予備校のことをイロイロ調べているうちに自分のことを思い出しました。

 予備校といえば私も40年近く前にお世話になりました。当時は予備校全盛期?。関東では代々木ゼミナール、駿台予備校が2大有名予備校で「数の代ゼミ(人数が多いということ)、質の駿台(学生の質が高いということ)」などと言われており、河合塾はまだ東京には進出しておらず(確か名古屋が本拠地だった)、かの東進ハイスクールは存在すらしておりませんでした。

 私が初めて予備校の授業を受けたのは、なんと高校3年の冬でした。現在ならば受験前の総仕上げの講座です。ところが全く勉強をしていなかった私はなにもしらずに「化学がぱっとしないので一つ講義を受けてみようか」とホントに気軽に受けたのでした。
 
 今でも覚えています。たった4日間の短期集中講座でしたが参加してみてびっくり。だいたい何を言っているのかわかりません。これが本当に日本語なのであろうか?私の知らない単語がポンポンとんでおります。
 結局、その4日間はただ座席に座っているだけで全く身になりませんでした。思い出せば私の高校では化学はひたすら実験ばかりで受験に役立つような講義はほぼ皆無でした。実験漬けだったことは大学に入ってから非常に有意義でしたが受験にはマイナスでした。
 まあそんなこんなであっけなく浪人生活に入ったのでした

 そもそも私の母校は「大学受験は個人の問題であり高校は関与せず」というスタイルだったので当然ながら大学受験の結果は芳しくありませんでした。まあ仲の良かった友人たちはほとんどが浪人となったので後悔などは全く無くのんきなものでした。

 さて浪人が決まってからどうしようかと?まあ受験勉強などほとんどしておらず、知識も殆どない状態です。根本的な知識が足りないのですから宅浪なんてまず無理。やっぱり予備校に行くしか無いなあということになりました。
 そこで皆でどこの予備校にしようかと検討?しておりました。当時のトップは駿台予備学校(当時は駿台高等予備校と称していました)でした。ところが全く勉強をしていない我々からすると当時の駿台は非常に敷居が高いところに思われ、「きっと入学選抜試験を受けても受からないよ」と最初からあきらめモード。今思えば馬鹿だなあと思いますが当時は真剣に「駿台予備校はレベルが高いので勉強をろくにしていない我々は入学も出来ないであろう」と思っていたのでした。
 それじゃどうするかと、当然ワンランク下?の予備校を探します。ただし条件として一応選抜試験を受けて入ろうと決めました。当時は申込みだけで入れるところもありましたが、それはどうしてもプライドが許しませんでした
 でもどの予備校がいいなんてわかりません。予備校は今と異なり中小予備校が多数ありましたが、一体どれがどうなんだのか見当もつきません。今のようにネットで情報を集めることも出来ず、雑誌広告などが頼みの綱というお寒い状況でした。そのうち友人達が幾つか候補を上げて「これにしてみないか」などと話を進めていきました。

国立大学、それも理系ということで絞り込みというか見当をつけ、幾つかの予備校で試験を受けて、その中で何となく良さそうだと思われた予備校に入学したのでした。

 千葉県松戸市に住んでいた私は片道1時間以上かけて通ったものでした。別にそこの予備校に行ったことは後悔しておりませんし、仲間も多く結構楽しく過ごせ、たいへんおせわになりました。

 数十年ぶりに今はどうなっているのであろうと調べてみたところ、その予備校は当時の場所には存在せず移転しており、しかも規模も縮小しており細々と続いていると言った印象でした。当時はあんなに学生(浪人生)で溢れかえっていたのにあまりの変わりようにびっくり。びっくりしたついでに調べてみると、かつてあちこちにあった予備校の多くは姿を消しているではありませんか!!。原因としては少子化と大学の数自体が増えたので浪人生が減ったことが一番の要因のようです。
 かつては隆盛を誇った?代々木ゼミナールも虫の息ですし、現在は冒頭にもかいた駿台、河合塾、東進が多数を占めており、更にはきめ細かい指導を特徴とする比較的小規模な予備校にわかれているようでした。

 昔は駿台に代表されるように広い教室で多数の学生に講義をするというスタイルが主流でしたが現在はそうしたスタイルを維持するのは大手の一部にすぎないようです。 ムスコの予備校探しは私の知識は全く通用しない物になっており私の経験は全く役に立たないものとなっておりました。時代は変わっていくものなのですね