分類不能項目


Vol. 42

2010. Oct. 15

親子で鶴見線全駅乗下車の記録(前編)


2010年8月22日

お盆休みにチビスケと一緒に一泊二日の鉄道旅行に行ってきました(詳細はそのうちアップします)。そのときに「青春18きっぷ」を利用しましたが、一枚だけ残っております。せっかくだからというわけではありませんが有効利用せねばと鶴見線に挑戦?することにしました

鶴見線。それは首都圏に存在しながら利用する人は限定されており、3両編成で30分に一本の間隔で運行される不思議な路線です。首都圏に残された最後のフロンティア。これはその最後のフロンティアに挑戦する親子の記録である(スタートレック風に)なーんてね

 まあ30分間隔で運行されているし全長10km程度しかないので、アバウトな計画でよかろうとチビスケの意見。それに従ってお昼後に家を出ました。

 今年は猛暑で駅に到着するともう汗をかいています。鶴見駅はふつうの首都圏の駅ですが、なんだか鶴見線のホームだけ場違いな感じがなきにしもあらずといった感があります。そういえば当クリニックにやってくる業者さんの一人は鶴見出身だそうですが鶴見線は利用したことがないとか言っていたのを思い出しました。その理由は?と尋ねると「だって用がないじゃないですかー」とのことでした。普段の利用者はやはり限られて方々なのでしょうね


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鶴見線は工場地帯をくぐりぬるように走ります。通勤客の大部分は工場勤務者なんだろうなあと思いつつ乗車します。

この路線は短い割に本線の他に

海芝浦支線

大川支線

の3つの路線があります

効率よく?乗下車するために順番に乗降しているわけではありません。ついでに不正乗車でもありません。青春18キップの残りとホリデーパスを利用しています

お昼頃に自宅を出て1時半頃に鶴見駅に到着しました。

京浜東北線のホームとはうって変わってひなびた感じ。なんだか「付け足した、もしくは時代から取り残されたような」雰囲気のホームでした。

何となく薄暗いホームです

まずはいきなり海芝浦支線の終点の「海芝浦駅」に行ってみました

海芝浦駅

ここは東芝のために存在する駅です。改札口は東芝の敷地内にあるため通行証がないと出られないのです。試しに「写真だけ撮りたいのですが駅の外から写真を撮らせてもらえないでしょうか?」と改札にたっている駅員と言うよりは警備員さんに頼んでみましたが、あっさり断られました。まあ職務に忠実言えば忠実なのですね。

ホームの外は海で、かつては「海に一番近い駅」と宣伝していたようですが「海でなく埋め立て地」ということで使われなくなったそうです。

おもしろいことに下車(むろん、駅から外に出られませんが)したのは我々だけではなく他にも数人いらっしゃいました。結構散策を楽しんでいるようでした。ホームの先には「東芝の善意」でつくられたという公園があります。「駅から出られない分ここで気分転換してください」といったところなのでしょうか

海芝浦支線はこんな感じ

確かにホームの脇は海

改札は関係者以外出られません

反対側は東芝です。右は駅構内の公園

次は本線に戻ります

国道 (こくどう)駅

この駅はレトロな雰囲気で有名?な駅です。駅は高架上にある駅です。駅自体はふつうです。ただホームと車両の隙間が比較的広く、油断すると足を挟みそうです

駅を降りると、それこそガード下ですがレトロな雰囲気たっぷり。ガード下の店舗もレトロな雰囲気たっぷりです。外にでると太平洋戦争の際、空襲で機銃掃射を受けた跡の残る壁面があったりします。でも駅を離れるとふつうの下町風景。

このアーチ型構造物は歴史的にも意義があるようです

網で覆われた壁面のデコボコが第2次大戦時の機銃掃射の痕らしいです

次の列車まで時間も半端だし、地図を見ると1kmもないようです。ということで歩くことにしました。テクテクテクテク炎天下を歩きます。途中、釣り餌を売っていたりしてアンバランスな感覚にとらわれます。

このあたりは意外と釣り関係のお店が目に付きました

おお!駅が見えてきた

炎天下の中、テクテクと10分ほど歩いて隣の「鶴見小野駅」につきました。

鶴見小野(つるみおの)駅

建物財産標には「昭和4年」とあります。まあ改修されて当初の面影はないと思われます。それでもホームは今時首都圏では珍しい木製の柱で組まれた屋根で覆われています。何とも懐かしい雰囲気です。無人駅でも結構お客さんがいます。鶴見線すべての駅に言えることですが無人駅ですが、どの駅もお客さんが必ずいるということが地方のローカル線と異なるところと思われます。

「昭和4年10月」とあります

レトロなホーム構造物

今度は当然ながら列車に乗り込み隣の弁天橋駅に向かいます

弁天橋(べんてんばし)駅

建物財産標には昭和24年とあります。ここもこじんまりとした無人駅。ここも木製の柱が屋根を支えます。

建物財産標ですが、よく見ると「2」の数字は後から書き足したようにも見えます。果たして昭和4年なのか昭和24年なのか??おそらく前者ではなかろうか?

駅舎に貼られた宣伝広告?なかなか面白かった。見にくいですが「新芝浦駅」は「〜運河と工場の駅〜」の一言で片づけられているのが面白かった。扇町駅は「猫のいる駅」だって

ホームに温度計があり、みてみると34度です。きついなあ、、。

浅野(あさの)駅

隣の駅に移動。暑さはますます厳しくなります。

立派な駅舎、でも無人駅です

 この浅野駅は海芝浦支線への分岐駅でもありホームの一部が三角形になっているのが特徴といえば特徴です。

ムダなくらい広いホーム

 ふと見てみると線路がもう一組あります。今は使われていないようでレールもさび付いていますがたどってみると次の駅までつながっているようです。立派な?廃線跡といったところでしょうか?

一番右側の線路は使用されておりません。ところで隣の駅が見えるくらいの近さです

それにしても暑い。このころから駅に着く度にペットボトルを二人で一本飲み干すペースとなってきています。

 

暑さで参っている母子

海芝浦支線に戻って新芝浦へ

新芝浦(しんしばうら)駅

最初にいった海芝浦駅の一つ手前の駅です。ここは改札をでると、すぐ横が東芝の入り口です。ぎりぎり社内でないので海芝浦と異なり改札から出ることができるのです。要は「東芝」社員のためにあるような駅です。極端な話、東芝がいなくなったら、この二つの駅は廃止されるのではないかと邪推してしまいます。海芝浦駅が改札から出られない閉塞感があるのに対し、こちらはちゃんと出られることもあり、私はこちらの駅の方が好みです

駅を出ると、そこは「東芝」ここから海芝浦駅方面は東芝関係者以外は立ち入り禁止となっています

左が駅舎。止マレの停止線の先は東芝の敷地となっているようです。ここから先は右の写真のように東芝の施設で一般人は進入禁止です

 ホームをぶらぶらしていると電柱がやたらとボロい。よくよくみてみるとプレート「S18」との文字が書かれています。勝手な推測ですがこの鉄柱は戦時中の昭和18年に建てられたものではなかろうかと考えました。鉄柱自体も作りも丁寧とは言い難く戦時中の物資不足の中、貨物輸送駅として利用されたであろうこの駅に建てられた、ある意味貴重な歴史的建築物ではなかろうかと勝手に思ってしまいました。

このS18.4の意味するものは??

つづく