分類不能項目


Vol. 27

2008/Aug/10

親子で秘境駅乗下車旅行(後編)





さて、後半部分です

「田子倉駅」編

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 再び六日町駅にもどりました。昼食をとろうと外に出たところ駅前商店街はほとんどがシャッターを下ろしたままです。開いているお店はほとんどありません。チビスケは「日曜だからお休みが多いんじゃない?」と言いますが、それって違うと思う。来年の大河ドラマである「直江兼続」の旗がむなしくなびいているようにも見えました。

いわゆるシャッター商店街ですね

 結局駅前のショッピングセンター?にある食堂で普通の定食を食べました。立派なのは駅ばかりで町としての活気に乏しいのが寂しい限りでした。

駅前パノラマ写真です

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 六日町から今度はJRに乗車して小出(こいで)駅に行き、そこから只見線(ただみ)に乗り換えます。一日に5本くらいしか列車が走らないというローカル線の極みといった路線です。

六日町からは旧国鉄車両で移動します 

キハ40というディーゼル列車に乗り換えます


 小出駅に到着したとたんに他の大勢のお客さんは只見線のホームを目指してダッシュ!!え?ガラガラのローカル線じゃなかったの?と思いつつホームに到着するとたくさんの人々がそこにいました。でもどうにか座ることができました。
 
 大赤字経営と聞いていたのですが、ほぼ100%の乗車率、座れない方もおられました。車両はキハ40という懐かしのディーゼルカーです。当然冷房もなく扇風機が回っています。ああ懐かしいなあ、扇風機がのどかに回って窓を全開にして車窓を楽しむなんてなんだかとっても楽しくなります。人見知りをしない性格の私は相席の人とも会話が弾みます。チビスケもワクワクしているようです。

 コトコトのんびり列車は走ります。途中の駅もほんとにローカル駅そのもので大部分は無人駅です。風景も田園風景ですし、日本でも有数の豪雪地帯だけに民家も積雪対策として2階相当部分が玄関になっているところが目立ちます。しばらくして目的地の駅に着きました

途中通った駅(正確には待合所です)

正面に見える家は右側に被いのついた階段があり、2階に相当するところに玄関があると思われます。日本有数の豪雪地帯であることを感じさせられます

途中まで  美しい田園風景が続きます

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「田子倉駅」


大きな地図で見る


そうです!こここそ「秘境駅」として上位にランクされる駅です。


 我ら以外誰も下車しないのではと期待していましたが、ところが下車したのは我ら親子の他にもう一人若者がおりました。おそらくこの方は「鉄ヲタ!」なのでしょう、一人でぽつねんとしております。でも多分先方からすれば子連れで下車した当方がもっと不気味だったかもしれません。
 

田子倉駅にて。右の人は、もう一人の下車した方、左は車で見学に見えた方

見よ!この時刻表!!我々は14:28の列車で到着しました。16:32の列車で帰る予定です

下には赤字で「冬期間(12月1日から翌年3月30日まで)、すべての列車は通過となります」と書かれております。要するに冬はここは完全に雪に閉ざされ、訪れる人もいなくなるのです(訪れることができない!)

 (ちなみに駅の横を走る国道は冬期は積雪のために通行止めになるそうです)


ホームには他に数人の方がいらっしゃいましたがいずれもバイクか車で立ち寄られた「物好きな」方ばかりですが、そうした方々は列車がホームを離れるとやがていなくなりました(要するに帰ったということ)。

こーんな感じ


 さて!帰りの列車まで2時間以上あります。只見線自体一日に4本程度しか列車が走らないのにチビスケもよくもまあこんな駅に辿り着くスケジュールを組んだものだと半分感心、半分呆れてしまいます。
 小出方面は駅を出るとすぐに再びスノーシェッドにはいっていきます(只見方面はすぐにトンネルに入ります)

 この駅自体の最大の特徴は駅全体が巨大なスノーシェッドで覆われているということでしょう!


  

 駅にはベンチが2個あるのみ!公衆電話すらありません。携帯はFOMAは一部で通じるらしいです。トイレも無く、自動販売機もありません!!!駅自体はホームがあるだけで駅自体がスノーシェッドに覆われています。駅に通じる道路は冬は雪に閉ざされます。そのため駅からの交通手段が無くなるために駅としての機能もなくなるので冬期は全列車が通過するという恐ろしい駅です。


バイクが停車していますが、これは見学の方のようです

地上部分は駅というより作業小屋ですなあ、、。駅と気づかずに通過する人も少なくないでしょう

こんなちっちゃな駅看板では見落とす人が多いと思います。あ、それ以前に人がいません!



おお!素晴らしい!

 埋め込まれたプレートには1971年と書かれております。この駅が設置されたのはまだ比較的新しく、そもそも只見ダムがつくられるときに資材の輸送などに関係して作られた駅のようです。ということはすぐ脇にある只見湖は人造湖ということになります。後で調べてみるとこの湖にしたのは水没した村々があるそうな!この集落のあたりは只見ダムができるまでは豪雪地帯でかつ林業が盛んな地域だったらしいのです。
 意外と新しい駅なのです

せっかくなのでCubicVRを作成してみました(要QuickTime)。画像をクリックしてください。360度(天地も含め)パノラマ画像となります。継ぎ目処理が雑なのは許してくださいね

プラットフォームからの風景です
階段を上っていくと地上?に出ます


おお!素晴らしい!

左側に見えるのが田子倉駅です

 巨大な倉庫みたいな駅からでると周囲はなんとも美しい風景が広がります。ちびと二人でテロテロ歩いていると湖畔でキャンプをしてる家族がいたりします。こんにちわ〜と挨拶をすると「いい写真が撮れますか?」と尋ねられてしまいました。どうやら写真撮影にやってきたと思われているらしい。まさか「駅を見に、わざわざ列車でやってきました。」とも言えずにテキトーにお茶を濁します。

キャンプ中の家族連れ、楽しそう!


 他には遠くに釣りに来ている一行が見えます。駅舎の横に駐車してあった車は多分この方々が停めているんだろうなあ思いつつ眺めておりました。周囲には他には空き家のような休憩所があるだけです。内部は薄汚れた広間とトイレがあるだけでした。使う人なんているのかしら?

5分ほど歩いたところにある「田子倉無料休憩所」でも休みたくない雰囲気です。車を駐車させるにはいいのでしょうが

画像をクリックすると駅周辺のCubicVRとなります



「何もないってすごいね」とチビスケはしきりに感動しております。鉄ヲタには有名ですが、まさか子連れで、しかも車ではなく列車を利用してやって来てブラブラしているケースはまれではないかと思っております。

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2時間はブラブラしてチビとしゃべっているとあっという間です。


 やがて列車の時刻に近づいてきたので駅に戻ると、さきほどのもう一人の客である若者も帰ってきていました。ふたことみこと言葉を交わしますが何となく気まずくて話が進みません。ベンチで列車を待っていると、やはり車やバイクで駅を見に来る物好きたちが訪れます。

 列車が到着すると下車する方は誰もいません。もっとも降りても次の列車まで3時間待ちで夜になってしまいますが、、。乗車したのは当然ながら我ら父子と若者の3名のみです。なんだかお迎えに来てくれたような錯覚に陥ります

 やがて列車は駅を離れ小出駅にと戻りました。

 途中の大白川駅は待ち合わせの列車があるので10分間の停車。ここはタブレット交換が見られます。他のお客さんもめいめい外に出て雰囲気を楽しまれているようでした。

皆さん大白川駅では小休止

大白川駅ではタブレット交換が現役です

いい雰囲気です

 小出駅では50分ほど列車待ちなので記念撮影をして、お土産を買ったりして接続の列車を待ちます。こうなると50分待ちなんて何とも思わなくなってしまいます。駅の売店は午後6時には閉まってしまうというので慌てて買い物をしたりしておりました。

小出駅で記念撮影をする方も少なくありませんでした。小出駅のレトロな跨線橋もしぶいです


 越後湯沢で、さて夕食をどうにかしようと思い、駅弁屋をのぞくと幕の内弁当以外はすでに売り切れ。ここまできて幕の内弁当も無かろうと思い、次の新幹線まで小一時間時間があるので駅の外に出ました。

 ところが駅前は何ともがらんとしております。多くのお店はシャッターを下ろしたままです。まあスキーシーズンはもう少し賑わうのであろうと思いつつ食べるところを探しますが越後湯沢ならではといったお店はなく、結局は普通のレストランでカツカレーを食べました。
 我々が店を出ると同時にお店の電気が消えました。ああ、我々が本日最後の客だったのね

 帰りの新幹線は予想外に混雑しており着席することができず、デッキにすわるはめとなりました。チビスケにとってはデッキに座るということが初めてのことであり結構喜んでいましたが、1時間もたたないうちにへばっておりました。

「パパが子供の頃は新聞紙を敷いて通路に寝ている人すらいたんだぞ!」とうんたらうんたら言ってもチビスケには通じません。幸い大宮からは着席することができました。古い列車のボックスシートもいいけれど新幹線のシートは快適だなあと思いつつ家に向かうのでした

 それにしても日帰りでこんなところに行けるなんて思ってもいませんでした。いやあ機会があれば是非再訪したいなあ、、、。

チビスケメモより

美佐島→六日町
戻って六日町駅に着く。(トンネル内ではくたかと普通列車の交換で10分ぐらい待った。)
六日町でお昼ご飯を食べた。(本当は名物料理を食べたかったが知らないので適当に食べた)

六日町→小出
上越線の115系(懐かしい)に乗って移動する。

小出→田子倉(秘境駅)
小出駅に着くとテツがダッシュして席取り合戦をした。(もちろん自分もした)列車はキハ40系である。こういうのは窓が開くので全開にするべきであろう。ところが大白川→田子倉間は最強の六十里越(むそりごえ)トンネルがある。(約15分ほど)途中ヒューーーーという音がとてつもなくする。さらにかなりさむいのである。それを超えたときにいきなりとまったところが田子倉駅なのである。ここは冬季(12月1日→3月31日)は全列車通過してしまうのだ。ホームと出口につながる階段だけである。周りには田子倉湖と国道と(?)無料休憩所だけである。車の音以外何にも音がしない。ここは小出方面が1日に3本。只見方面が1日に4本しかないのだ。いろいろと写真を撮って周りを探検していると無料休憩所がある。水洗トイレがあるが休憩するところはあいているがあまり行かないほうがいい。
そして小出行きの列車が着たのでそれに乗り込む。

田子倉→小出
上越線との接続が悪いためここで50分ぐらい待つ。そして越後中里行きに乗り込む。

小出→越後湯沢
夕食はカレーを食べた。本日はこれにて終了!

越後湯沢→東京
新幹線がとてつもなく混んでいたのでデッキに座る。