分類不能項目


Vol. 16

2005/Dec/7

最近買ったもの



先日、チビと吉祥寺に出かけた際、かねてから行きたかった模型屋さんに言ってきました。ここは知る人ぞ知る模型屋さんなのですが残念なことにご主人が春に亡くなり移転したのでした。以前はこのお店は30年以上時間が止まったようなお店でしたが、新店舗に行って見ました。
 そこは自宅の一室を改装したものでした。入り口は引き戸ですが、呼び鈴を押して初めてお店のヒトが顔を出すというものでした。普通のひとが何気なく入れる雰囲気ではありません。それでも思いきって呼び鈴を押すと中から未亡人とおぼしきお婆さんがニッコリ笑って出迎えてくれました。
 お店の中は以前の店舗と似た感じで、狭い敷地にギッシリ色々なものがおかれていました。目に付いたのは幻灯機のフィルムというものがありました。おそらく昭和30年代のものと思われました。買おうかなあと思いましたが、肝腎の幻灯機がありません。お店の方にたずねても幻灯機自体は無いそうです。その気になれば自作できますが、その気になれないので諦めました。
 他にも奥のほうから木製の組立模型。本物の建築直後に発売されたと思われる東京タワーのプラモデルなどもありましたが、それらは整理中ということで値札はついておりませんでした。
 チビはあきれ顔でしたが、こちらが熱心にお見せの中をのぞき回っていました。思わず買ったものがこれです。


昭和30-40年頃のモーターボートのプラモデル。



メーカーは今は無きイマイ製です。一時はサンダーバードのプラモデルで一世を風靡したものです。

開けてみるとなんともシンプルな構成です。プラスチック自体は劣化したというより、もともとの材質が悪い感じで弾力性の無い、硬めのものです。


シンプルな構成です

この中に接着剤が入っています。そういえば昔はこんなのが殆どで、昭和40年代の半ば頃からチューブ入りの接着剤に変わっていったような気がします。

当時はモーターは別売でした。模型屋さんや文房具屋さんに行くとたいていモーター(マブチモーターだった)が置いてありました。

これがスクリューなどの可動部品。簡単な構成です。

たぶんこのまま組んだらシャフト部分から浸水してきそうです。そういえば、昭和40年代のこの手の模型には浸水防止のためにグリスを注入するものがありました。もっともグリス注入タイプは完成してお風呂に浮かばせると(当時の定番でした)グリスが漏れでてきて水を汚すので、親に怒られてしまうという代物でした。
 

 

シンプルな設計図!でもよく見ると

風防は透明なプラ板が付属しており、自分で切り出すというものでした(セルフサービス?)

品物そのものの出来も決していいものではなく、現代ならば子供向けのおまけに付いてくるものよりも質は悪いでしょう。それでもなんとも懐かしいような気分に浸ることが出来ます。


組み立てる予定は無く、持っているだけでシアワセ気分を味わっています。

ところでこれは言い値の400円で購入しました。この値段が今では高いとも思いませんが、販売当初はいくらだったのかなあと思っていたら、箱の裏にスタンプで押された「90円」という文字がありました。これ以外に箱に値段は印刷されていませんでした。これが当初の値段かどうかは不明ですが、一時期はこの値段だったのであろうと納得していました。ちなみに昭和40年ごろのプラモデルの値段は50-100円のものが主流で「400円」とかいうと自分の小遣いでは買うことが出来ず「高級品」というイメージがあった記憶があります。

 数日後、手元にある古ーい昭和38年の少年マガジンを何気なく見ていたら、裏表紙に、なんとこのプラモデルの広告があるではありませんか!!

少年マガジン昭和38年7月16日号

左最上部に注目。ところで最下段には鉄人28号です(360円)

「No.1 ロビン 120円」とあります

ここには120円とあります。思うに当初は90円くらいだったのが、数年経って値上げされたのかなあと考えております。それにしても偶然ですが当時の品物とその広告を見つけるなんてちょっと感激ものでした。
 (でも考えようによっては120円で売れなくて、在庫処分のつもりで90円で処分しようとしたが、売れずに今まで残っていたとも考えられますね)