意味不明の相関関係  

過去発言集 その1


 

最近、歳のせいか物覚えが悪くて困ります。
夏井先生のHPを見なおしてみると、以前の私の投稿分がしばし見受けられますが、自分自身が投稿していたことを忘れていて「おお!こんなことも言っていたんだなあ!?」と感心することもあります。そこで整理を兼ねて以前の投稿した文章を適宜書きなおしてこちらで掲示してみます(手抜きともいう)

まずはその1
2012年4月22日

 

今朝の朝日新聞に日本循環器学会学術集会の広告記事がありました
突っ込みどころ満載でしたのでメールさせて頂きました
日本循環器学会の山口大学教授である松崎先生のお話となっております

要するに日本人は脂質の摂取過剰と運動不足で糖尿病などが増えており、脂肪摂取制限と運動の励行をしましょうという記事でした
(第一三共製薬がスポンサーらしく、さりげなくスタチンのことが記載されているのがいやらしい)

junkannki


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画像がピンぼけなのですが、糖尿病患者が増えているのはわかります。
ところで糖尿病の増えた原因として運動不足を取り上げたいようですが、その指標となるのが「自動車数」となっています
この先生は「自動車の増加=運動不足」と決めつけているようです。私には論理の飛躍としか思えません。
この論理が成り立つのであれば、例えば確か1959年発刊の「少年マガジンの発行部数」も似たような曲線を描くかもしれません
すなわち「糖尿病が増えたのは少年マガジンの発行部数が増えたからだ」とも言えてしまう気がします(最近は部数が減っているようですが)
 さらに興味深いことにこのグラフからは糖尿病患者数と摂取カロリーは全く関係がありません。要するに「摂取カロリーと糖尿病の患者の増加とは関連性はない」ともとれます。すなわち糖尿病学会の推進する「カロリー制限による糖尿病の治療」は役に立たない」ともとれます

脂質摂取量の増加に伴い糖尿病患者数が増えていると主張したいようですが、私の目には相関関係にあるようには思えないのですがどんなものでしょうか?
中学数学の表現をすれば糖尿病患者数は「下に凸」の曲線、脂質摂取量は「上に凸」の曲線のようにもみえるのは気のせいでしょうか?
そもそも「脂質」よりも「糖質」摂取量が描かれていないのはズルい気がします(オリジナルの発表では描かれているのでしょうか?)

一日の摂取カロリーにしても(現在、出典元へのアクセス不能のため削除)
厚生労働省とWorld health databookでは一日あたり1000カロリーくらいの違いがあります。こうなるともう何をあてにして良いのかわからなくなりますね(このグラフの摂取量は、2000カロリーを少し超えた位なので上記2つとも出典が異なる様子ね?)

なんだか初めに結果ありきのような記事で「こんなんでいいの?、それとも私が間違っているの?」とブツブツ煩悶しています

 

 

上記は2012年4月に書いたものです。この当時は「糖質制限」自体はまだまだマイナーな存在であり糖尿病専門の医師に話をしても鼻であしらわれるような状況でした。これを書いてから3年経ちましたが状況は多く変わりつつあり、「糖質制限」は誰もが知っている言葉となり、理解を示す医師も増えてきています。時代は着実に変化しつつあると実感している次第です