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その5

空手教室 大山倍達監修
秋田書店刊 (1971)

 小学6年生の頃、少年マガジンで「空手バカ一代」という漫画が連載開始され始めました。当時の流行作家である今は亡き「梶原一騎」氏原作、「つのだじろう」作画による空手家「大山倍達」氏の半生を描いた漫画でした。

 今ではその内容の殆どは梶原氏による「創作」であることが分かっておりますが、当時は「限りなく真実に近づける」ということがキャッチフレーズになっており純真な?少年達は熱狂したものでした。

 私もあこがれた一人であり「空手を習いたい」と漠然と思っておりました。しかし当時周囲には空手道場成るものは存在しませんでした(知らなかっただけかも)。この本を購入したのは少しでも「空手」のまねごとしたいと思っていたところに、たまたま大山倍達氏の少年向け指導書があることを知って購入したものでした。発行年月日が昭和46年11月となっているので、おそらく西宮に住んでいる頃に購入したものと思われます。

 西宮の自宅でひそかに「型の練習」のまねごとをやった記憶がありますが、誰も指導してくれる人もおらず次第に忘れてしまったものでした。

 久しく実家の天井裏に眠っていましたが、たま古本市場で1万円以上で取引されているのを見てびっくりして思わず引っ張り出してきた次第です


ちゃんとカバーも残っていました

すんません!ピンぼけです。大山氏が若い?昭和45年10月初版だそうです

最初に「梶原一騎」氏と「大山倍達」氏のコメントがあります。見出しは当然大山空手のカラー写真

最初は空手の歴史から。この本ではかの達磨大師が始祖のように書かれておりました。また右の図は大山氏の「牛と戦う」図ですが、当時不思議に思ったのは連載漫画では「長髪で空手着をまとった」姿だったのに、この図ではトランクス一枚でした(実際は後者が本当の姿)。このあたりから「真実に近づけたはずの漫画」と現実とのずれを感じ始めておりました


内容は至ってまっとうです(たぶん)

「干支が教えるかまえかた」だそうです

後半に自身の武勇伝と伝説の武道家のお話が続きます(左は大山氏が生涯で唯一敗北を喫したという香港の老武道家との戦いを描いたもの、右は太極拳伝説の強豪、張松渓の逸話)。おそらくこれは梶原氏によるところが大であろうと思われます

少年向けの空手入門書としては至極まじめにつくられていると思います。またそれ以上に梶原一騎氏が加わることにより一種の読み物としてもなかなか面白く読めます。現在の実用性一点張りのものとは異なり、ある種の味わいを感じることが出来る本だと思っています。

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