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その3
天文と気象の図鑑
講談社(1966頃)

この本は本当は姉の本です。具体的にどうして入手したのかは覚えておりません。当時はこのような図鑑が色々とでておりまして、当時は文字通り「図」が中心であり「写真」は少なかったようです。これはコストの問題と思われますが現代のものは逆に写真がメインで図は少ないようです。どちらがいいのかは分かりませんが私の年代には当然「図」鑑の方がより好みであることは言うまでもありません


表紙はかの小松崎茂氏によるものです。ステキ!!小松崎氏のサインには1958年とあります

北海道の旭川に住んでいた頃(1964-1966)に入手したと思われるので、おそらく昭和41年に購入したのでしょう

最初の見開きはやはり小松崎茂氏による「月旅行はもうすぐ」というイラスト

左側のページの右下のロケットはなんと「光子ロケット」とあります。なんだか時代を先取りしているような、、。

小松崎茂氏は当時の人気作家(イラストレータ?)だったので、このような「科学もの」には必ずといっていいほど登場します。

「天気予報のでるまで」すべてイラストです。

拡大したものです。当時の「理想的な家庭の団らん風景」が描かれています。テレビが食器棚?上に鎮座しており左側にはおそらく真空管式と思われるラジオが置いてあります。なによりもお父さんと思われる人物は和服姿で上座?に座って悠々と新聞を読んでおり、いかにも「家長」といった雰囲気です。でも当時、こんな家庭は少数だったような気もします。

下に走っている列車は蒸気機関車ですし、農作業をしている人はもんぺ姿です。

「山の御光」これも立派な「図」で写真ではありません

「雷が近づいたら気をつけること」

左下の「火球」の下の民家は皆、茅葺き屋根です

「夕やけ」のなんとものどかな雰囲気

当時多かった、距離や重力を例えて表現したもの。私は大好きでした。拡大すると

 月までの距離を表したものです。「汽車では約17週」とありますが計算してみると、これは時速140km近い速度がでていることになります。イラストにあるような蒸気機関車の平均速度は70−80km/hrなので、ちょっと無理があるようです。現代の新幹線ならば9週くらいで到達することは可能と思われますが、、。ついでに計算したら飛行機はほぼ音速(時速1200km/hr), 徒歩だと時速約6km/hrで考えているようです。ちなみに不動産広告にある「駅から徒歩xx分」というときは分速80mで計算した数値とのことで、これは時速4.8km/hrに相当します。そう考えるとこれらの数値はかなり水増しされた数値のような気がします。

太陽、地球、月での重さの違いです。秤の上に乗っているのが「まわし姿の子供力士?」なのがステキ?


 チビスケが小学校に入学した頃に図鑑でも買ってやろうと思い本屋さんを巡りましたが、私のイメージしていていた今回の図鑑のようなものはすでにありませんでした。あるのは美しい写真と精密なイラストを中心とした「百科」でした。少なくとも「図鑑」ではなく「写真鑑?(そんな言葉はないです)」ばかりでした。でもまあこれも時代の流れからして仕方がないのでしょう。そういえば、このような図鑑などにイラストを描いていたいわゆる「挿し絵作家」も絶滅危惧種となっているのではないでしょうか?ちょっぴり寂しくもあります

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