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その12
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アサヒグラフ臨時増刊 |
アサヒグラフ
今回は長らく出版されていた雑誌「アサヒグラフ」です。これは1941年発行で要するに戦争開始直後に発刊されたもので「戦意高揚}目的の本です。神田の古本市で手に入れたものです
当時の価格は30銭。紙質は悪いです。そのため今となっては立てかけることが出来ません。裏表紙は現在も販売されている「エビオス錠」です
日付は開戦(12月8日)直後のようです
見開きは「屠れ(ほふれ)米英
我等の敵だ
進め一億
火の玉だ!」
左のページに天皇の詔勅が書かれています
右の広告は「オリザニン」とありビタミンB1だそうです。提供は今は「第一三共」となっている「三共製薬」ですね
更に開くと海軍大将 山本五十六の写真がデーンとあります
この時点では英雄扱いですね
まあ記事は連戦連勝の意気軒昂な記事ばかり(当たり前ですが)
英国戦艦を撃沈したマレー沖海戦の記事ですね
まあ、開戦直後の連戦連勝の頃なので雰囲気的にもイケイケドンドンといった勢いがあります。記事は提灯記事ばかりなので以後割愛するとして広告を見てみると面白いです
高級カメラで有名だったマミヤの広告
一瞬38,400円かと思いましたが、よくみると384円です。それでも当時としても相当高級カメラだったと思われます
戦前の大卒初任給が大企業で70−80円前後だったらしい(不確定)ことを考えるとかなりなものではないでしょうか?
丸ビルにあったらしい玩具屋さんの広告
いちいち説教がましいのが時勢を表していますね
「ムッソリーニペン」今じゃ考えられ無い、この名前!
さりげなく「スパイにご用心」とあります
スポンサーが三菱鉛筆ですが、スパイとの関連はわかりません
嬉しかったのは豊島園の広告を見つけたことです!
調べてみると豊島園は1944年4月に一旦閉鎖となっていますが、それまではなんとかやっていたのでしょうね
戦意高揚のアオリもなく平和な雰囲気がまだ残されていたのですね
戦後はエラソーな事を言っているアサヒも開戦当時はこんな調子なんですね。ろくに情報もない時代ですので国民は何もわからず読んでいたのでしょう。この後の悲惨な状況を一般市民は考えもしなかったのでしょう
最後のページは、またもビタミン剤の広告
それにしてもこの図案は某共産国家の宣伝ポスターみたいですね