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その4
ゼロ戦と戦艦大和(1969頃)
秋田書店刊

 小学生の頃、近所にカトー君という友達がおりました。カトー君のおうちに遊びに行くと色々プラモデルや本などがありました。私がプラモデルを作り始めたのもカトー君の影響ですし、この本もカトー君が持っていたものを見せてもらって夢中になって読み、数年経ってから自分で手に入れた本です。

 今になれば色々突っ込みどころもありますが、当時の子供向けの本としてはこれ以上のものはなかったのではないでしょうか??


サイズはA5サイズといったところでしょうか

見開きのカラー図は小松崎茂氏によるものです。ステキ!!小松崎氏のサインには1962年とあります

初版は昭和38年とあります。この本を購入したのはすでに6年を経てからであり、確かに当時でも少々古くさく感じました

まあこれは定番ですね

機銃弾の実物大の絵があり、これにはけっこう感動したものです「20mm機関砲って、すげえなあ」と感心したものです

こんな解説で興奮しました!!

P51マスタングにもB29相手にも大活躍したように書かれていますが実際は大苦戦したはずです

F4Fワイルドキャットは実際には互角レベルで戦ったそうです。「さんざんなめにあって敗退した」はあまりと言えばあまりの表現です


大和ネタです

大和といえば、やはりこの解説図が不可欠です。さらにちょっとしたネタ話などがあります

当時の乗組員との座談会などが収録されています。考えてみれば昭和39年というと戦争経験者がまだ社会の第一線で働いていた時期なのでいくらでも話を聞けたのですね。


 内容の正確さという点では現代の資料には劣るでしょうが、私はこの本をきっかけに航空機への興味がわいたことは間違いありません(軍艦に関してはあまり興味を抱きませんでした)。今では零戦(零式艦上戦闘機)に関して言えば各型の特徴はスラスラ言えるし、写真を見れば9割以上はどの型なのかはすぐにわかります。(オタクかしら?)


 何にせよ、特にゼロ戦に関しては圧倒的な強さを誇っていたように書かれていますが、「そんなに強かったのに、何で戦争に負けたの?」という疑問が出ても不思議でない内容でした。悪く言えば「負け惜しみ」的な内容でもあります。

  現在のこうした解説本をみると(大人向け)逆に妙に冷静で「さめた」解説が多いような気もします。執筆者がすでに戦争未体験者で大部分を占めることが大きいのではないかと思います。「負け惜しみ」的なものは殆ど見られなくなっています。でも極端なことを言えば、この「負け惜しみ」が現在の日本を作り上げた原点であるような気がしないでもありません。

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