院長のひとりごと

当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです


院長のひとりごと その97

December10.2018
 

妙な?研究


 

 前半部は少し前に尊敬する夏井睦先生のHPに投稿したものです。自分のHPでは見てくれる方が少ないであろうと思い、少しでもたくさんの方に見てほしいと思って投稿したものです。でもなんだか「他人の褌て相撲を取る」といった感が強く、釈然としないので、改めて自身のHPで公開することにしました。後半部分は未投稿のものです。やはり自分の意見は自分で言わなくっちゃね?

 

「朝食抜くと太る」機序をラット実験で解明 体内時計の乱れが原因か、名古屋大など

朝食の重要性に注目し、ラットを活動期に高脂肪食を与える群(対照群)と目を覚ましてから4時間後に高脂肪食を与え、ヒトが朝食を抜いた場合に相当する状態にした群(朝食を抜く群)に分けて2週間観察した実験だそうです
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0206669

要は朝食を抜いたラットはヨロシクナイということで、「朝食を抜くと肝臓時計や体温時計に異常が生じ、エネルギー消費量が減少して体重増加につながると考えられる」と結論づけている。とのことです。
私が違和感を感じるのは、
1. もともとげっ歯類であるラットに高脂肪食を与えるということ
2. ラットは見れば分かる通り、空腹で餌があればのべつくまなく食べる動物であり、「朝食」「昼食」「夕食」といった概念はもともと存在しない
3. なによりもラットは本来「夜行性動物」であり、それに対し朝食云々を考察するのはいかがなものか
と非常に違和感を感じます。

変な研究?の続編です

今度は千葉大という立派なセンセイ方の発表です

 「発表」だけで詳細は不明なのですが、テレビ、新聞記事でみたものですが千葉大の研究グループが発表した「お風呂に入る回数が多い人ほど、介護を受けるリスクが減る」というものです

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3768296013112018CR0000/g

 「週に7回以上(要は毎日ですね)入浴するヒトは週2回以下のヒトに比べて要介護認定を受けるリスクが約3割減少」したというものです。

 私が思うに、「入浴」という行為は「脱衣」「体を洗う」「湯船に浸かる」「着衣」という一連の行動があり、一見なんでもない行為と思われがちですが、実はこのような複数の活動が組み合わさったもので案外高度な活動です。実際、認知症が進行した患者さんは「入浴の仕方がわからない」ことが多いです。

 入浴習慣が少ないというのは、実は「その時点で要介護予備軍である」とも考えることができると思います。勿論、単に風呂嫌いという方もいらっしゃいますが、実は入浴回数が少ない方の3割程度はすでに要介護予備軍であるとも考えられないでしょうか?そのような方に無理やり?入浴回数を増やしても果たして要介護認定を受けるリスクが減るかどうかは疑問です。

 エライ先生のコメントで「血の巡りがよくなったりリラックスしたり、いろんなことがうつの予防になったり、それらが認知機能の低下を防いだり、要介護状態になる確率を下げているのだと思います」という極めて曖昧なものでした。

 それならば、どのくらいの温度でどのくらいの時間入浴しているのかということも明示すべきですが(いわゆる烏の行水でもいいのか?どうやらシャワーはダメらしいが)、記事では研究グループでどのようなセッティングがなされているの不明ですのでなんとも言えないと思います。そもそも「入浴」の定義って何なのでしょうか?

 片っ端から高齢者?を無理やりでも入浴させたら要介護認定になる方が減るかどうか引き続いて研究してくれれば面白いのですが
 
 まあ極論を言えば入浴習慣のない欧米人は日本人よりも「要介護になるリスクが高い」ということになるのでしょうか?おそらくそれに関し論者は「生活環境が異なるから比較できない」と答えるでしょうが?逆にそれはバイアスがたくさんかかっておりマトモな研究では無いよといいたくなります。

他にもいろいろ?マークが付く論文、発表が最近目につくことが多いのです。単に私が年をとってきてひねくれてきたのかもしれませんが皆様はどのようにお考えでしょうか?ちなみにうちの奥さんは「名古屋大、千葉大などの一流の大学のセンセイ方の発表だから間違いないんじゃないの?」とをおっしゃいます。どうせワタシは3流私大出身ですとすねてしまいます