院長のひとりごと

当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです


院長のひとりごと その95

June17.2018
 

情熱の嵐

 


 先頃、歌手の西城秀樹が亡くなった。特にファンというわけでは無いが、その知らせを聞いて自分のちょうど思春期のころに活躍していた歌手だけになんとなく思うところはありました。つらつらと思い出してみました。

西城秀樹といえば、郷ひろみ、野口五郎とともに「新御三家」として華々しく活躍しておりました。私がその存在を知ったというか、身近に感じたのは中一か中二のころのことでした。
 御三家はテレビに毎日のように出演しておりました。当然、御三家の一人として「西城秀樹」を知ったのでした。野口五郎、郷ひろみが甘いマスクなのに対し、西城秀樹は「男らしい?」イメージで出てきた印象でした。

中でも印象的だったのが当時流行った「情熱の嵐」という曲でした。何が印象的かというと私がテレビで観た西城秀樹はノースリーブのシャツを着てジャケット?をぶんぶん振り回していたと思います。そして「君が望むなら♪!」と叫ぶと大きく右腕を前に着き出すのです。その瞬間! 彼の右脇から ブワッと黒々とワキ毛が見えるのでした。何度も何度もそのしぐさを繰り返すので、その都度黒々としたものがイヤでも目に入るのでした。「うわ〜何だかすげえなあ」と恥ずかしいような感心するような妙な感覚に襲われたものでした。

 ちょうど自分自身にもワキ毛が生え始めた頃であり、ワタシ自身自分の体の変化が恥ずかしくて他人様にワキ毛を見られることが恥ずかしく恥ずかしくて仕方がなかった時期でありました。まあ思春期真っ盛りというヤツですな。その「恥ずべき部分(自分が)」であるはずのワキ毛を堂々と見せる、うがったものの見方をすれば「わざと見せている」姿は理解しがたいものがありました
 
 で、その頃、郷ひろみも人気絶頂でした。「キミたち、おんなのこ〜♪」と舌足らずで鼻にかかった声が当時の男子には不人気でしたが女子には人気でした。

  ある日、雑誌か何かで郷ひろみがプールで飛び込むポーズととったグラビアがありました。当然水泳パンツ一枚です。飛び込みポーズなので当然、脇も目に入ります。西城秀樹のワキ毛の件がアタマにこびりついている私は思わず写真のワキに目が行きました。するとどうでしょう、西城秀樹とは対照的にワキ毛の一本もなく、すべすべツルツルではないですか!?

 そうか、そうだったんだ。なんとなくそれを見て私は得心したのでした。ファンの心をつかむためワキ毛の見せ方一つも工夫するのがこの世界なんだと。これが「セックスアピール」というものなのかと!個人的には「恥ずかしくて仕方のないワキ毛」が彼らにとっては「女子を引きつける道具の一つになるんだ」と考えを新たにしたものでした

 私は何だか青春の階段をひとつ昇ったような気がしたものでした。

でもワタシはワキ毛をアピールするなどという暴挙に出ることはありませんでした。だってイケメンでも何でもないのですから