当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです
院長のひとりごと その92
July 2.2017
デジタルデバイド
先日、何気なくネットを閲覧していて、あるべき医師の姿のようなことを語っているサイトが有りました。そこでは「Facebookなどコミュニケーションツールを利用しない医師は信頼すべきではない」ようなことが書かれておりました。
ありゃりゃ、私はFacebookはやっておりません。ついでながらTwitterもアカウントは持っていますが放置状態で、つぶやいたことは一度もありません。ついでながらInstagramなどのサービスも利用したことはございません。
上記の記事に従えば私はFacebookもTwitterもやらない、患者とのコミュニケーションツールを持たないどうしようもないヤツ、ということになるのでしょうか?
なぜ、上記ツールを使用しないのか? 安全上の問題?個人情報保護の問題? いいえ、そんなものではありません。「必要性を感じないから」といえばカッコいいのですがそれでもありません。
単に「めんどくさい」からなのです
でも私はもともとは新しもの好きなのです。若い頃はパソコン通信にはまりこみ。ときに国際回線まで使用して電話料金を気にしながら海外にアクセスしたものです。やがてインターネットが始まると電話回線を利用してイロイロと設定をしてアクセスしたものです。今でも覚えているの1995年に格安プロバイダが登場したときには真っ先に登録しましたが、都内の回線がいつも混雑しておりアクセスが困難だったので、都内ではなく回線が空いていた隣の千葉県などのアクセスポイントを利用したものです。その頃は通信速度の問題もあり画像ファイルなどみるなんて考えられず、見るのは文字データばかりでしたが一気に世界が広がった感がありました。
さらに癌研病院勤務の時は回線が限られていたので、詳しい先生に相談してソフトウェア&器材を購入して医局内のLANを形成したりしましたし、ファイルメーカーというソフトを利用して患者管理データベースを作成し医局で利用していただいたりもしました
開業してからも、見ての通り洗練とは程遠いですがホームページは全て手作り。院内電子カルテのLANも自分で構築いたしました
ところが時が流れて今現在、そうした作業は次第に煩わしくなっております。徹夜してデータベースを作製するなんて今ではとてもやる気が起こりませんし、やり方も忘れております。院内LANもメンテナンス中心であり、新たに何か機能を追加する気もございません。
まあものぐさになっているのは「必要性を感じない」ということと、なによりも「興味が持てなくなってきている、めんどくさい」ということなのでしょう。
でも考えてみると、これって老化なのかもしれません。次第に根気、集中力が落ちてきていることの裏返しなのかもしれません。
以前だったら「上記のツールを利用しない医者は信頼に値しない」と言われたら「そんなことはない!そもそもナントカカントカ」と反論したでしょうが、現在ではそう言われたら「そうなのかもしれないね」と聞き流してしまいます。「言いたいやつには言わせておけ」という風になってきております。これもやはり角が取れてきた、というより老化なのかもしれません。
まあ最近は以前ほどワクワクさせてくれるようのパソコン関係の出来事が乏しいのか私の感性が鈍ってきているのかはわかりませんが、思えばあと2年で私も還暦ですものね。素直に後者であると思ったほうが良いのかもしれません。そうしたことを踏まえるとこれからはガツガツとやらずにもうマイペースでのんびり行くのがよいのかな?とも思っております。