当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです
院長のひとりごと その86
November.29.2015
こわれかけのラジオ
数年前ネットオークションを介してラジオを買いました。SONYのスカイセンサーICT-5800という約40年前のラジオです
なぜ今更こんないにしえのラジオを購入したかというと、要は衝動買いです。秋葉原を散歩していたら「レトロな品々」を販売しているお店があり、そこに同機種が売られていたのでした。
そもそもこのラジオは私が中学生に買ってもらったものでした。FM,中波の他に短波放送を受診することができるものでした。買ってもらった時は嬉しくて嬉しくて毎晩聴いていたものでした。
何を聴いていたかというと、当時流行っていた深夜放送などには興味はなく、海外放送を受診することが楽しみでした。といっても外国語の放送を聞いても何を言っているのか理解できるはずはありません。もっぱら海外の日本語放送を聞いていました。今でも覚えているのが旧ソ連の「ラジオモスクワ」「中国?の日本語放送」「BBCの日本語放送」などでした。それぞれお国柄が出ていてとても新鮮に感じられたものでした。またFM放送もよく聴いていました。なんといっても音質がいいのでした。当時はFM放送はNHKとFM東京(今の東京FM)の2局しかありませんでした。夜の0時から始まる今でも放送している「ジェットストリーム」は定番でした。
このラジオには60分タイマーが付いており、夜はタイマーを入れて寝入る頃には自動的にオフになるようしていました。このタイマーはゼンマイ駆動でしたので、タイマーを作動させるとゼンマイのジジジという音がするというシロモノでした。
タイマーを入れてジェットストリームを聞きながら眠りにつくことも多かったと記憶しています
北大に入学した時も一緒に札幌に持って行ったものでした。しかしそのうち先ずゼンマイが壊れました、医師になってからも愛用し転居を繰り返すたびに一緒に持って行きましたが、最後は転居の際に知人に譲渡してしまいました。
そうして20年ばかり過ぎていましたが、秋葉で懐かしい姿を見て俄然、欲しくなったのでした。
オークションで手頃なものがあったので落札してみました。
真ん中のダイアルを回して選局します。アナログです
ところが入手して実際にスイッチを入れると、どうも調子が今ひとつ。音声は聞こえますが、「こんなものだったかなあ?」と言った印象でした。しばらく使用していると周波数によっては極めて受信状況が悪いということに気が付きました。
正規購入品ならばクレームを付けるところですが、所詮はオークションの中古品で今更クレームを付けるわけにも行きません
(そもそもオークションなんて、そんなもんだと割り切りが必要だと思っています)
そこで色々ネットを調べてみるとクラシックラジオの修理を請け負っているところがありました。早速修理依頼をし本体を送りました。しばらくすると修理を終えたラジオが戻ってきました。(こちらです)
なんでもトランジスタが劣化しているとのことで交換とのことでした。費用もリーズナブルなものでした
早速スイッチを入れると昔ながらの音が聴こえるようになりました。
ラジオの下にあるのは現代のデジタル選局のラジオ。実用性は当然現代のものに軍配が上がります
ああ、いいなあと思いつつ聽いておりましたが、都内では電波の状態は良くないようで海外の短波放送はなかなか受信できません。また以前は「ハム」といういわゆるアマチュア無線をしょっちゅう受信できたのですが、最近はアマチュア無線をお個合う人も減少しているので受信できることがなくなったのはちょっと残念でした。
使用しているうちに電源コードのプラグが劣化してポッキリ折れてしまい、現在は電池で作動しています。まあコレはそのうち修理する予定です。
現在は気が向いたらスイッチを入れ、聞き流すというスタイルが多いです。東京FMのジェットストリームは今でも続いており、懐かしい気分で聞いたりします。タイマーのゼンマイ作動音であるジジジという雑音も心地よいものに思えてきます