当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです
院長のひとりごと その85
September.9.2015
医学部再受験時代
私はせっかく苦労して入学した大学を思うところがあって、医学部を志し再受験しましたがこの時は本当に辛かったものです。今思い返してみても「よくもまあ、そんな大胆なことをやったものだ」と半分呆れ返ります。
最初、大学に籍をおきながら再受験しましたが、中途半端な時期に勉強を再開したことや様々な要因であえなく失敗。そこで翌年、某予備校に入り直し一からやり直したのでした。
ところが高いはずのモチベーションはしばし不安定になり、ひどく不安にかられたり投げやりになりかけたりもしました。以前のように一緒に勉強する学友もおらず、それこそ一人での戦いとなりました。以前通った図書館も通いづらくなり、予備校と自宅の往復の日々でした。
勉強漬けかというと、そうでもなく、たまに授業をサボって映画を見たりブラブラしたりすることもありました。挙句の果てに原付免許を取得したりして気分転換と称して原付バイクであちこち走ったりもしました。自堕落な部分もだいぶあったと思います。最初の大学受験の時とは集中力がだいぶ落ちていたと思います。
そんなダメになりそうなとき高校時代の友人たちは結構支えになってくれました。彼らのことは今でも非常に感謝しております。
で、実際にどのように勉強を行い、どのように過ごしていたかというと、それがなぜかほとんど思い出せないのです。あれだけ苦労したはずの勉強内容が思い出せないのです。
北大受験の頃のことは比較的よく覚えているのですが、この再受験の頃のことはほとんど思い出せないのです。当時の受験資料は受験終了とともに処分してしまったので、何も残っていません。おそらく相当のストレスであり「思い出したくないもの」であり無意識のうちに記憶から消し去っているのではないかと想像しています。
なんやかんやと最終的には医学部に無事合格することが出来ましたが、今思えば本当に冷や汗モノでした。おそらくその時の学力は北大に合格した時よりも落ちていたのではないかと思っています。変な話ですが北大に合格した当時に医学部に最初から焦点を合わせて勉強していれば、もうひとランク上の大学に合格できていたのではないかと今でも思っています。それにしてももし医学部にあの時合格できていなかったら私の精神は崩壊していたかもしれないと思う時すらあります。未だに当時のことが夢に出てびっしょり汗をかくこともあります。
今の自分があるのはこのような経験の積み重ねの結果なのでしょう。それが良い方に出ているのか悪い方に出ているのかはわかりません。浪人をすると人間性に深みが出ると言ってくれる方もいますが、わたしはとてもそうとは思えません。若い多感な時期を、あのような再受験生活で費やすのは決して良いこととは思えません。
「浪人なんて、しないにこしたことはないよ。仮に浪人するとしても一浪までだよ」と私は言いたいです