院長のひとりごと

当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです


院長のひとりごと その84

June.7.2015

ほんとにひとりごと
 


 先日、大腿部熱傷の患者さんが来院されました

 最初、近くの開業医で治療を受け朝晩、石鹸とお湯で洗いゲンタシン軟膏塗布、抗生剤内服などで治療中とのことでした。2週間程経ったところ「治療経過が思わしくないので植皮が望ましい。某大学病院を紹介する」と言われて納得できず、ネットで検索して当院受診。

 診察したところ、上皮がぺろんと向けたU度熱傷ですが、既に治りかけており感染の兆候もありません。なんでこれで植皮?と思ったのですが前医の意見では「私はこのような症例をたくさん見てきた。感染を起こしかけているので放っておくと死んでしまうかもしれない」と半分脅かされたそうです。
 当院では内服薬などはすべて中止として単にお湯で洗ってプラスモイストで処置。現在順調に回復中です。

 それにしても、どうみても楽勝?な熱傷になんでこのような対応をするのであろうとつくづく不思議です
聞いてみると、その先生はまだ40歳前後であろう若そうな先生。そのような年代の先生でもまだこんなことをやっているんだと妙に感心?してしまいました。個人的にはこの年代の開業医ならば、まだ新しい情報を得ようとイロイロ情報収集しており、当然湿潤療法の知識もあるのではと勝手に思ってしまうのですが、どうもそうではないらしいですね

 湿潤療法を知らないのか?それとも今までやってきたことが最善であると思い込んでいるのでしょうか?

 いずれにせよ若い先生がこんなんじゃあ困るなあと思った次第です。

 

 こういう症例を見ていると従来の治療?方法は「治療」ではなく逆に悪化させているのではなかろうかと思ってしまいます

 例えば100年前でまだ植皮なんてなかったころは、この程度の熱傷患者に対して「消毒して油紙をあてて包帯を巻く」ようなをやっていたような気がしますが(根拠なし)、それはそれで痛くて痕は残ったかもしれませんが、それなりに治癒したことでしょう。それに対し、こんなレベルで「植皮」など行われたら「手間がかかる。お金もかかる。痕も残る」ということになります。これって果たして医療といえるのでしょうか?いっその事なにもしないほうが良いのではないかとさえ思ってしまいます。

 これを糖質制限などに当てはめると

 糖質制限を実行すると多くの糖尿病患者さんは(治癒はしませんが)改善し、内服薬なども減らせることが多い。逆に従来の糖質タップリの食事指導では逆に悪化する可能性もある

 認知症のコウノメソッドに従い認知症患者に多く投与されている某薬剤は中止すると劇的に改善することが多々見られる。これは某薬剤が症状を悪化させているとしか思えません

 こうしたことを考えていくと他の領域においても現在「一般的に知られている治療法」が実は「トンデモ治療法」であるというものがあるかもしれないと思う日々です

 湿潤療法、糖質制限、コウノメソッドなどは「画期的な治療法」というより、従来の「誤った治療法」を指摘し、「本来あるべき治療指針」を示したものではなかろうかと考えています