当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです。
院長のひとりごと その74
Nov.21.2010
待つ
以下の文章は2010年の1月に作成したものですので、日時の感覚がずれておりますことをご了承ください
うちのチビスケも今年から中学生になることになり、中学受験を経験することになりました。某月某日、某中学校の受験日と休日が重なったので私が一緒に行くことになりました。
試験は朝の9時から午後1時くらいまでかかります。この間、保護者はどうしているかというと「ひたすら待つ」のです。これが都心部の駅周辺の学校ならば、その辺をぶらぶらしていればいくらでも時間は潰せます。緊急時もまあ携帯があるのでなんとかなるでしょう。ところがその時は都外のはっきり言って田舎に位置する中学校です。某駅から徒歩10分、学校の周辺は住宅と畑だけです。なーんにもありません。散歩をしてもいいのですが、その日は寒いのでそんな気力もありません。
地元の人は一旦帰宅出来ますが、こちらはそうも行きません
というわけで「保護者控室」に待機します。
学校では学生食堂を開放してくれています。親切なことにコーヒーサービスなどもありました。控室は8割方埋まっています。休日なので父親も姿も少なくありませんがやはり母親がほとんどです。
皆さんどうやって時間を潰しているのかなと思って観察してみます
友達同士で来ているお母様方は当然「おしゃべり」です。これぞ最強の暇つぶしです!
単独で来られている方は本を読んだりしているかたが多いようです
父親は友達同士ということは無いようです。なので専ら本を読んでいるかノートPCを持ち込んで何やら作業をしています。お父さんたちは何やら難しい顔をしています。まあもっともこんなときに落語などをラジオか何かで聞いてニヤニヤしていたらやっぱり「こいつ子供の大切なときに何をやっているんだ!?」と思われるのでしょうなあ。
私はといえばノートPCも持ってきているので、こうやってPC打ち込んでいるのです(実は現在試験の真っ最中です)
幸い最近購入したiPhoneもあり、そこには音楽もたくさん入っています。音楽を聴きながら優雅に?時間を潰します。
現在、11時です。試験が始まってちょうど半分くらいです。控室を見てみるとそろそろ皆さま一通りのことをやって飽きてきたのでしょう。空席がめだってきました。おそらく時間を持て余して散歩に出かけて人もいるのでしょう。気のせいか静かになってきたような気もします。読書する人、携帯の画面を眺める人、お菓子を食べている人もいます。おしゃべりを楽しんでいるお母様方は相変わらずお元気です。居眠りをする人がだいぶ増えてきました。でも居眠りをしているのは男性に多いようで、女性はなにやらやっている人が多いようです。女性のほうが「待つ」ということに慣れているのでしょう?
私はというとこう言ってはなんですが「待つ」ことが平気な方です。 そもそも医者なんて「待つ」ことが結構多いのです。
開業医なんて、それこそ開業当初は「患者さんを待つ!」そのものでした
今でこそ、そこそこ患者さんが来てくれますが開業当初は本当に「待つ」毎日でした。
今でも忘れられませんが開業した二日目は土曜日であったこともあるのか来院者はたったの「ひとり」でした。午前9時から午後2時半までひたすら椅子に座って来院者を待っていたのでした。まあ他のドクターに尋ねると来院者「ゼロ」を経験した方もおられるようなのでそれよりはましなのでしょう
開業してしばらくは「ひたすら待つ」ということが多かったので、この時期に私の「待つ」ということに対しての「耐性」が一層強化されたようです
先輩ドクターの中には夏に開業したときは暇で暇で、待合室にあったテレビでずっと夏の高校野球甲子園大会を鑑賞しておられた方もおいでです
おかげでチビスケと一緒に鉄道旅、特に「ローカル線巡り」に出かけたときの「列車待ち」の時間なんて何とも思わなくなりました。2時間待ちなんて苦になりません(それは趣味だからといえばそれでおしまいですが)。ここまで書いてふと思い出したのですが、かつて北海道に住んでいたとき(昭和40年前後)、列車は殆ど蒸気機関車であり、駅に止まると短くて3分停車、普通は15分くらい停車していたような記憶があります。その頃から「待つ」ことに慣れていたのかもしれません
研究室で実験に明け暮れていた時も3日間くらいひたすら時間をかけて実験操作を行い、結果が出るまで一晩待つ、なんて日常茶飯事でした
なんて書いて、しばしボケーッとしていたら既に時計は午後1時前です。もうすぐチビスケの試験が終わります。私はこの間、一回だけコーヒーサービスをもらいに行きましたがあとはずっと椅子に座ったままです。我ながら気が長いものです。
賢い人であるならばこの時間を利用して何かをするのかもしれませんが賢くない私はひたすらボケーッとしておりました
後日談
その後、さらに2箇所の試験に付き合いましたが、今度は比較的駅に近かったので待ち時間はほとんど駅前などをブラブラしておりました。待つことに強いと言ってもやはり暇を潰す手段があればそちらを選ぶのだろうなあと思いつつ、試験終了間際までプラプラしておりました
ちなみにこれらの学校は無事合格しました(私の行動には関係ありませんが)
この文を読み返すと、暇つぶしに書いた文なので一貫性もなくだらだらと書いておりますが、こんなこともやっていたんだと、これも当時の心境なんだと思い掲載してみました