院長のひとりごと

当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです。


院長のひとりごと その53

May.13.2006

さよなら交通博物館

 

 最近、しばし明日(5/14)で交通博物館が閉館になると喧伝されています。私も本当に小さい頃に何回か訪れたことがあるのですが、あまり良く覚えていませんでした。子供が生まれて、2歳頃から交通博物館を再度訪れるようになりました。その時の印象は「古くさい昔のままの印象だなあ、、、」というものでした。

 中庭にあったはずの地下鉄銀座線の車両が無くなっていたり(これは葛西の地下鉄博物館に移設してありました)していましたが、建物自体もレトロですが、展示物もレトロでした。数十年前にみた記憶の有る展示物が今も立派に現役だったりしました。良く言えば昔ながらの味わいがあり、悪く言えば変化のない昔のままの進歩の無い展示といった印象でした。

 それでもチビスケには十分楽しい空間であり、鉄道シュミレータのような最新の設備もあります。

定番の小さいお子ちゃまに人気の鉄道模型走行シーン

チビスケは派手な展示物に興味を持っていますが、私は子供の頃にみた記憶のある「いかにも手作りといった展示物に興味がそそられました。以来、何回通ったかわかりません。しかしその博物館も5月14日で閉館です。建物が老朽化していることもあり仕方がないのでしょう。

個人的にお気に入りのジオラマ。私が子供の頃にみた記憶があります

このジオラマには「昭和二年四月」と書かれた標識がついています。その時期に作られたものなのでしょうか?

これも昔から好きだったも展示物。ボタンを押すと山が持ち上がって内部のトンネルが見えるというものです。これも戦前からあるそうです。

建物自体も非常に趣深いものがありましたが大地震でもあったら一発で崩壊しそうな建物であるということも否定できないのでしょう。
この薄暗い感じがたまりまへん!(写っているのはどこかのおじさんです。わたしではありません)

 先日は特別見学コースである旧「万世橋駅」の遺構も見てきました。

旧万世橋駅の遺構見学です。最初で最後なのでしょうか?旧万世橋駅の階段。階段のすべり止めのプレートがありませんこれは太平洋戦争中に鉄材供出のために取り外されたとのことです。こんなところに戦争の爪痕が残っているのですね


万世橋側の壁面にお別れのメッセージが掲げられていました
屋上(実は旧万世橋駅の一部、に国鉄時代の旧車両がさりげなく置かれていました。おそらくサービスの一環で鉄道旧車マニアにはたまらないものなのでしょう。週がわりで車両が替わっているようでした)

 来年に新しく大宮に鉄道博物館が出来るそうですが、この独特の雰囲気の博物館も非常に惜しい気がします。

 蛇足ながら上野の科学博物館も旧館の古くさい展示と建物が好みだったのですが(フーコーの振り子とか、こ汚いレストランとが大好きでした)、こちらも新館が出来てから閉鎖されたままのようです。防災上仕方がないのかもしれませんが、古くさいままで、いかにもお役所がつくったような進歩のない?博物館も味わい深いものがあったなあと思う今日この頃です。