院長のひとりごと

当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです。


院長のひとりごと その 31

April.25.2004

少年マガジン

 コンビニに行くとマンガ雑誌が並んでいます。私も以前は漫画が好きでしたが最近は、特に少年雑誌を読むことはありません。もはや自分の好みと全くあわないものになっているからなのでしょうか?それとも年をとっただけのことでしょうか?

 ところがある日、なぜかインターネットオークションで昭和40年前後の「少年マガジン」を手に入れてしまいました。
 思い起こせば自分自身で初めてマンガ雑誌を購入したのは、あれは確か昭和41年の夏のことでした。北海道の旭川から千葉県松戸市に引っ越しすることになり、道中退屈しないようにと親が「漫画でも買っておいで」言ってお金をくれたときです。記憶が半分あいまいですが、本屋さんに行ったところ少年マガジンとサンデーが山積みにされていました。その時はマガジンを買ったのですが、その理由は「
サンデーは60円だけれどもマガジンは50円だったから」というしみったれたリクツだったような気がします。
 それまでは自分で雑誌を買ったことは無く、姉の友達のお古?をみせてもらっていたような気がします。
 
 とにかく昭和39年の少年マガジンをオークションで手に入れました。さっそく見ると、絵物語が結構多いです。まだ駆け出しの梶原一騎の絵物語があったりしました。内容は荒唐無稽ですが、この数年後にかの「巨人の星」が始まるのかと思うと感慨もひとしお?です。マンガはエイトマンの桑田次郎のうまさが際立っています。他ははっきり言って余り上手でないマンガが多いようでした。客観的に見れば絵の巧拙は現代のもののほうが圧倒的に優れているし、ストーリも現代のもののほうがよく練られているのでしょう(最近は全く見ていませんが)。でも私にとっては40年前の雑誌の方がはるかに楽しいものでした。これはおそらく内容ではなくて「自分の少年時代の思い出」とだぶらせているからでしょう。要するに「
その時代を思い出し、見ている」ことなのでしょう。

 記事には結構ためになる?ものもありました。
「現代の日本人の平均寿命は
男が67歳、女が72歳、あと数年で男も平均寿命が70歳になるでしょう」→現代とは随分違いますね
「夢の超特急の名称が
”ひかり”と”こだま”に決まりました」→そういえば新幹線がまだ開業していませんでした。
「埼玉県の坂戸
に、、、」→当時は坂戸市ではなく、町だったのですね
などと当時のことを反映しています。

 漫画家へのファンレターの送り先が掲載されていますが、もろに個人の住所が載っています。現代ではとても考えられないような気がします。ついでにいえばマンガ家達の住所は殆ど皆、ナントカ荘やナントカ様方になっております。当時のマンガ家達の社会的地位はまだまだ低かったのでしょうね。

あと怪しげな記事も多いです。プロレスの力道山の空手チョップは宮本武蔵の二刀流がヒントになっているとか、「び○こ」などの現在では
表記禁止の差別語もみられます。

まぼろしの音を聞こえるようにする方法」というのがありました。今で言うところの超能力を身につける方法といったところです。やり方がすごい。「静かなところでラジオやレコードで付けて静かな音楽を聴く。そうしてゆったりした気分になります。音楽を消して自分の好きな音楽を思い浮かべます。そうしてその音楽が聞こえてくるような心持ちになったらしめたものです。そのうちにやがて町中でも聞こえないはずのまぼろしの声が聞こえてきます」


これで本当に聞こえたら幻聴です!


他にテレパシーの練習方法が紹介されていますが、これも「眠くて仕方ないときにやる」と書いてあります。

眠くて仕方がないときは何も出来ないじゃん!

と結構、笑わせてくれます。
 先日、今度は昭和38年のマガジンを落札してしまいました。これは本当は落札する気は無かったのですが、うっかりボタンを押してしまったのです。誰か他のヒトが落札してくれないかなあと思っていましたが、他に入札が無く結局私の落札となりました。1000円なのでまあいいやと思っています。まだ手元には届いていませんが、どんな記事が載っているか楽しみ?です。