当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです。
院長のひとりごと その 30
April.4.2004
マイナスイオン
最近、やたらマイナスイオンとかいうものを耳にします。体に良いとか、なんたらかんたら一体何のことかしらと思ってしまいます。確か学生時代化学で習った概念では、負の荷電を持ったイオンで極めて不安定な存在といったふうにおぼろげに記憶があります。ところが世の中で宣伝されている物はどうもそれとは別物らしい。でも何だかありがたいようなものらしいです。
先日、「マイナスイオンを発生するベッドを買いました」という知人がいました。「ふーん、どんなものなの?」と聞いたところ「マイナスイオンを発生して、体に良いものだそうです。値段が30万円もしたんですよ」とにこやかにお答えになられます。「えっ!?30万円もするの??」思わずビックリ!思わず「ホントに効き目があるの?」と聞いてしまいました。すると「大学の医学博士も推薦しているんですよ」と胸を張ります。
私も一応医学博士なんですけど、でもポン大医学博士だから権威がないのかなあ?などと思ってしまいます。とにかく御本人は満足そうにしているので、それ以上聞くのはやめにしました。
夏前の頃、扇風機を購入しに近所の量販店に行きました。一番の売れ筋の扇風機を見ると「マイナスイオン発生します」と書いてあります。店員さんに聞くと「マイナスイオン発生」とあるものが、無いものより1000円以上高いのですが売れているとのことでした。少し意地悪になって「マイナスイオンって何なのですか?」と店員さんに聞いてみました。店員さんは待ってましたとばかりに「水がついている原子のことです」とお答えになりました。「へっ??」水というのはH2Oという構造の分子であり、記号で示されるように水素原子と酸素原子から成ります。なのに原子に分子がついている???もう訳がわかりません。思わず突っ込んでみようかなと思いましたが、店員さんはもともとそんな深いところまで教わるわけないので、そこを責めるのは大人げないのでやめました。
「ところで、効果はあるの?」と聞き直したところ「気休めです!!」とキッパリ!何とも男らしい?返事。思わずニッコリしてしまいました。無論、私は普通の扇風機を買いました。それにしても扇風機って安くなったものですね。
その後、再び例のマイナスイオンのベッドの方にお会いしました。ベッドの話をすると「ああ、あれは電気が通じていて体が暖まるんですよね」と前回とは別の答えをします。「あれれ、マイナスイオンじゃなかったのかな?」と思いつつも、今度は「それじゃ電気毛布と同じじゃないの?」と言ったところ、「そんな安物と一緒にしないでください」と怒られてしまいました。それじゃ電気風呂のように体に電気が流れるのかしら、そんな訳ないよななどと思ってしまいます。次に会う時は今度は何とおっしゃられるか楽しみです。
まあマイナスイオンブームももうすぐ終息するでしょう。今度は何が流行るのか楽しみです。
と、ここでお終いにしようと思ったら、、、、、、
寒がりの父親に、はやりのハロゲンヒーターを買ってきたところ、それにも「マイナスイオン発生スイッチ」なるものがついています。
さらに私の奥さんが「新しい布団を買ってきた」と言って騒いでいます。布団がボロボロになったので買い替えたとのことです。
「マイナスイオンが出て良く眠れるそうよ!」と言っています。
もういやっ!!!
→ちなみにその新品の布団は奥さんが使用しております。私は古いままです。