院長のひとりごと

当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです


院長のひとりごと その104

October.5. 2022
 

新型コロナウイルス感染症後遺症

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID19感染症)の感染者は現在の所ピークを過ぎたようです(今後のことはわかりませんが)。2年前に流行が始まった当初は肺炎を併発している方も結構多く、入院する方が多くいました。それに比較すると現在のオミクロン株は感染者数は圧倒的に増えましたが重傷者は多くありません。少なくとも当院外来に受診されるような方々はほとんどが軽症で、受診時に「これは即入院が必要」と判断した患者さんはほとんどおりません。

 しかしその一方、後遺症が出ている患者さんは感染者の増加に伴い増えている印象です。当院の性格上、咳嗽を訴える方が最も多いですが、他には味覚嗅覚異常、下痢、全身倦怠感 等があるようです。巷で問題になっている「Brain Fog」を訴える方はおりません(おそらくBrainFogの方は専門医?を受診されていると思われます)。

 後遺症に関しては対症的に対応することにより症状の緩和が得られることが多く、じっくり療養することにより回復しているようです。支障はあるものの日常生活は送れている場合がほとんどです


 後遺症の場合、療養期間が明けても症状が持続しているケースがほとんどですが、中には療養期間が明けて、もう大丈夫と思って活動を再開すると症状が出てくるという厄介なパターンもあります。そのため表面化しにくいといった面もあるようです

 入院するほどではない、かと言って日常生活に支障を生じている。そのような方々が確実にいます。「だるくて仕事に出られない、学校に行けない」「目がチカチカしてスマホの画面をみることもできない」「おふろに入ると気持ちが悪くなるのでお風呂にも入れない」といったケースも見られます

 何れにせよ特効薬はなく、療養していただくしかないのですが歯がゆいものがあります。どのような方に後遺症が出やすいかというと、これが全くわかりません。ワクチンを全く接種していないくて何ら後遺症もでない人もいれば、ワクチン4回接種しても後遺症が出る方もいます。じゃあワクチンは不要かというと後遺症がきつい人はワクチン未接種のことが少なくない印象もあります(絶対数が少ないので断言できません)

 「重症化」リスクに関しての研究は色々なされていますが、命に関わることはないレベルの「長引く後遺症」に関しては、どのような方に後遺症が出やすいかなどというデータはまだないようです。個人的には遺伝子レベルの問題かもしれないとも思っていますが、わかりません。

 

「お大事にしてください」と言いますが、どのように「お大事にする」のかがわからないというのが現状です