院長のひとりごと

当初は、もう少し花鳥風月を愛でる話や、世相を風刺するようなことを書いていこうと思いましたが、いつの間にか情けない話ばかりになっています。かといって愚痴めいた話はいやなのでこのペースが続きそうです


院長のひとりごと その102

February.23. 2020
 

新型コロナウイルス感染症で思うこと

 

 

 

新型コロナウイルス感染症が急激に拡大しているようです。おそらくしばらくは歯止めがかからず拡大していくのであろうと思っております

 さすがのワタシもマスクを付けて、こまめに手を洗いつつ診療に臨んでいますが果たして防御が万全かと言えば、とてもとても言えません


 感染者が来院しないことを祈るばかりです

たぶんワタシ自身は感染しても寝込むことがあっても重症となることはないでしょうとタカをくくっています。

ワタシが感染者と判明したときは、直ちにクリニックを一定期間閉鎖することになります。診療の継続が困難となり皆様にご迷惑をかけるかも知れませんが拡大防止のため、その時はやむを得ません。

 それよりもワタシが恐れるのは自分自身が感染者となった場合、それと気付かずに 私自身が”
Spreader(広げる人)”にならないかということです。


 ワタシは老人ホームのいわゆる嘱託医をやっております。特別養護老人ホームに入居中の方々は、普段から『健康とは言えない』方々ばかりと言っていいでしょう。認知症の進んだ方にマスク装着なんて無理な話です。自分で手を洗うなんて言うことは出来ません。そんな方々が新型コロナウイルスに感染してしまったら容易に重症化する可能性があるのです

 ですので私自身がSpreaderとなると、そのホームに感染が広がり、その結果不幸な転帰をたどる高齢者が続々と出てくる可能性が十分にあると言うことです。高齢者にとってはワタシが「死神」となる可能性があるのです

 各施設はすでに面会者の制限、スタッフへの注意喚起を行っています。なのに私自身がウイルスを広めるようなことがあってはならないのです

 もしも施設で肺炎患者が集団発生するようなことがあった場合、しかるべき病院に収容されるのでしょうが、受け入れ先は限られており、感染者の拡大につれ収容先は不足するのは目に見えています。

 世間ではテレワークを勧めたりしておりますが、医療に関していえば、あくまでも「対人」が基本であり患者と接しないで診療を進めるのははなはだ難しいところがあるのです。


 自分自身が Spreader にならないことを願うばかりです