コウノメソッド徒然草

その5 当院の受診パターン&ぼやき

April/19/2015

 


 

 認知症の診療を希望して来院される患者さんには3つのパターンが有ります

1 まずはコウノメソッドのことは全く知らず、当院が近いからたまたま受診されるケース

2 次は市民検診などでたまたま当院を受診したら認知症の症状がひどく、これはタイヘンじゃあ!ということになり以後当院で診療を続けることになるケース

3 最後はコウノメソッドを希望されて来院される場合です


 1 の場合は家族はコウノメソッドのことなど全く知らない場合が多く、「大学病院で診察してもらったほうがいいでしょうか?」「精神科に連れて行ったほうがいいでしょうか?」と尋ねられることもしばしです。
 大学病院云々に関しては「検査を受けるのはかまいませんが、まずは当院で治療をさせていただけませんか?無論、希望があれば大学病院を紹介します」と説明しています。精神科に関しても「まずは3ヶ月は当院で診させてもらえませんか?」とお願いします。なにせ相手はコウノメソッドのことなんて知らないので、ある意味大変です。上手く行かないとたちまち大病院に行ってしまい二度と来てくれないか、来てもグチャグチャにされかねません

 2 の場合は大概、他院からドネペジル10mg&メマリー20mgなどというトンデモ処方されている場合がほとんどなので、それらの処方を中止〜減量するだけで症状が改善する場合がほとんどです。
 「薬を増やす」のではなく「薬を中止、もしくは減量する」だけで症状が著明に改善することが殆どなのです。逆にいかに従来の処方が「治療」ではなく「悪くしている」のかがよくわかります

 3 のコウノメソッドを希望されてくる場合は、大概は他の医療機関でイロイロ処方され、なかなか改善しない、もしくは悪化して一縷の望みをかけて当院を受診されるケースが多いようです。駆け込み寺的受診となっています。
 こちらも前医の「困ったちゃん処方」をやめるだけである程度は改善する場合が多いようです。しかし以前にイロイロいじられているだけあり、結構手強いケースが少なくありません。易怒に対して治療を施して、穏やかになったかと思えば今度は穏やかになりすぎたり、眠ってばかりいるようになったりすることもあります。そこでさらに調整するのですが、「さじ加減」がなかなか難しい物があります。
 周辺症状はどうにかコントロールできるようになったら、今度は中核症状の改善を目指しますがこれが更にタイヘンです。

1.2の場合は比較てすんなり行く場合が多いのですが、3の場合には結構苦労する場合も少なくありません。こうやって悪戦苦闘しながら診療を続けております。河野御大のように一発で改善とはなかなか行かないようです

 最近はどうしてもいわゆる「保険適応薬」だけでは十分に改善させられず、フェルガードのようないわゆる健康食品?、さらにグルタチオン、シチコリンさらにソルコセリルなどの自費診療を提案するケースが増えてきております

一筋縄ではいかない!というのが正直な感想です

それにしてもあまりとやかく言いたくないのですが(それじゃあ言うなという声も聞こえそうですが)

ぐちゃぐちゃにされている患者さんが少なくない!ということです。
 前述したドネペジル10mgで易怒性が著明なので「認知症だから仕方がない」と説明されていたり(→やめれば大概解決する)
やたらとメマリー20mgを処方して、「メマリーの処方量が地域で一番多い!、認知症治療を専門とします」とかのたまわっている某医療機関とか(メマリーは適応と適切な量をきちんと考慮すれば素晴らしい薬です。誤解のないように)、腹が立つやら呆れるやらの日々でございます。