その2 フェルガードに関して
January/10/2015
今回はコウノメソッドに欠かせない「フェルガード」というお薬?健康食品?に関してのコメントです。
まずは「フェルガード」とは?
フェルガードとはフェルラ酸=米ぬかからの抽出物にガーデンアンゼリカというモノを加えたものだそうです。フェルラ酸自体はネットを見てみるとわかるのですが様々なメーカーから販売されているようで実際、患者さんの中にはそれまで個人輸入で海外から「フェルラ酸」を入手されている方もいらっしゃいました。
そしてフェルガードと他のフェラル酸との違いは「ガーデンアンゼリカ」の有無だそうです。その存在がフェルガードを他の「フェルラ酸剤」と違いを作り出しているそうです。
ガーデンアンゼリカとはセリ科の植物からの抽出物らしいですが、よくわかりません。でもこれがフェルガードの大事な「隠し味?」になっているようです。
以前グロービアのヒトに「ガーデンアンゼリカ」が良い理由は?と尋ねたことがありますが「私達もよくわからないんです」とのことでした。
何にせよ、この「フェルガード」は漢方薬の一種に入るらしいです。漢方薬というと私にとっては「効いているんだか効いていないのか、はっきりしない薬」という印象があるのです。概して漢方薬というのはきちんとした臨床データに乏しい物が多いそうで「以前から使われているから」認められているようなところがあります。「副作用が少ない」のではなく「副作用の調査がきちんと行われていない可能性が高い」といったほうが良いと思われます。そうしたことから「漢方薬」というものは、「まずは疑ってかかる」ことが私は多いのです。
フェルガードに関してはちょこちょこと効果に関して論文のようなものはあるようですが、大規模臨床試験のようなものが行われているかどうかは私は知りません。
さて、実際に使用してみての印象です
実際、私も患者さんに使用をおすすめし、内服されている方も少なくありません。最初は「3ヶ月試してみてください。それで効果が無いようであれば止めてもいいです」と言って勧めることが多いです。
効果が出るか出ないかは内服させないことにはわかりません。残念ながら全員効果があるというわけではなく、全く効果が出なかった方もいます。
一方、フェルガードを開始してから、明らかに以前と良い意味で変わってきたとしか思えない方もおります。うつらうつらしていた方が覚醒するようになってきた。易怒性のある方が穏やかになってきた、などなど効果を実感することも少なくありません。
経験から言うと「確かに全員ではないが効果がある人もいる」というのが実感です
認知症の治療をおこなっても周辺症状、中核症状ともなかなか改善しない方がフェルガードを開始したところ劇的に改善が見られ、今までの苦労はなんだったの?と言った感想を持ったこともあります
その一方、何も改善というか変化が見られなかった方もおいでです。むつかしいもんです
なにせ自費であり、ひと月あたり6000円くらいはかかるので安易にお勧めすることはしません。またフェルガードの構成成分であるガーデンアンゼリカには下痢、利尿作用、興奮などの副反応も報告されているようです(実際ガーデンアンゼリカの比率が高い「フェルガードLA」は長期に内服していると興奮傾向になることがあります)。ただこれらのことを差し引いてもフェルガードには確かに魅力があることは否定できません
それにしても確実に効果が出ていると思われる方が居ることも確かです。なんとも不思議なお薬?です
現在認知症の中核役としてアリセプト、レミニール、リバスタッチ(イクセロンパッチ)、メマリーがありますが、フェルガードはこれらに劣らず認知症の症状を改善する作用があると期待できるところがあります。
面白いことにフェルガードを続けていると「髪の毛が黒くなってきた、増えてきた」という方もおられます。作用機序は不明ですが面白いです。
私の現在のスタンスとしては「金銭的に余裕があるならばお勧めします。まずは3ヶ月試してみてはいかがでしょう」といったところでしょうか?またイロイロお薬を試してみても改善が今ひとつ、またはうまくいかない方には使用を積極的にzお勧めすることがあります。
「困ったときにはフェルガード」ともいえるかもしれません。
もちろん最初からフェルガードに興味を持っていただける方には初期から使用をおすすめしています
種類の選定ですが、最初は一般的に「フェルガード100M」]という万能タイプ?をおすすめすることが多いのですが、明らかにレビー小体脳症型認知症(DLB)で傾眠傾向があり元気が無い方には「フェルガードLA」をお勧めすることもあります。他にも「フェルガードB」などもありますが、最初はこのどちらかだと考えます。
保険で使用できる一般的なお薬で出来る限り治療を進めていきたいのですが、フェルガードのような保険が効かないものでないと一定の効果が望めない場合もあるようです。一般のお薬でフェルガードのような効果を持つお薬が出てくれるか、フェルガードが保険認証されるといいのですが後者に関しては望み薄のようです
コウノメソッドでは、これからもフェルガードの使用はしばらくは不可欠なものあろうと思われます。使用経験を増やして、より適切な使用をお勧めできるように努めていきたいと考えています。
できればどこかで「大規模臨床試験」をやってくれるといいのですが、、、。
フェルガードの販売元の「グロービア」のHPはこちら