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コウノメソッド徒然草

その13 最近の認知症対応に関して

 

年明け以降 、またもや更新をサボっておりました。なんやかんやとやることが増えてしまってゆとりが乏しくなってしまったのです(忙しいのに収入が増えないのが悲しい)、と言うのは前回と同じセリフです
 

 コウノメソッド実践医を表明してはや数年が経ちました。そろそろ5年位になるのかしら?さぞかし経験を積んだであろうと思いきや、何しろ三鷹の交通不便な場所ということもあり、それほど認知症の患者さんが多いわけではありません。最近は近隣に「認知症対応」の看板を掲げているところも少なくなく、大概の方はまずは「大病院」にかかることが多いので私のような零細診療所はひっそりと診察しているといった感じです。

 当初は診断に結構こだわることが多かったのですが、最近はあまりこだわらなくなってきています。一番の理由は「単独の病名」に当てはまらない、要は「イロイロな認知症が混ざり合っている」としか思えないような症例が増えてきているということです。アルツハイマーと診断されて当院に来院される方々で純粋にアルツハイマーと思える方は殆どおりません。たいがいは脳血管性がレビーが混ざってきており、一つの病名に絞ることが出来なくなってきております。私個人としては診断名にこだわるより、「なにが本人、介護者にとって最も困っていることは何か?そしてその対応はどうすべきか?」を考えるようになってきています。ついでにいえば投与する薬剤を何にすべきか?というより、「多すぎる薬をいかに減らすか?」というところから始まることも多いです。結構、薬を減らすと体調が良くなる症例が少なくありません

 治療法にしても広く処方されているドネペジルを使用することは殆どありませんし、それどころかレミニール、リバスタッチ、メマリーなども使用することは減ってきています。少なくとも使用する際は少量使用にとどめております。そのせいでしょう、先日は院外処方の薬局から「この量は少なすぎて有効濃度に達しないのではないでしょうか?」との問い合わせをいただきました。まあ薬局さんはあくまでも厚生労働省の指導を忠実に守っているのだけなのですので、その薬局さんは職務に忠実といえるのでしょう
 最近はプレタールという「血流改善剤」を積極的に導入することが増えています。これはコウノメソッドではなく池袋病院の平川先生から教わった方法です。これもまだ一般的なガイドラインなどには無いやり方ですが、一定の手応えは感じております。付け加えて言えばプレタールに関しては、いわゆるジェネリック薬品では効果が今ひとつ?という意見もあり今後の検討課題と思っています
 また、漢方薬の導入も検討していますが、こちらも奥が深くて私のアタマでは「このケースにはこれがいい!」というようレベルに達しておらず手探り状態です

 さらにはグルタチオン点滴療法、フェルガードなどの健康食品(こちらは自費診療)も試みております。こちらも効果がある人、ない人様々であり、なによりも「自費」になるので安易に導入することが出来ないということがあります。ただ、確実にグルタチオン点滴やフェルガードなどで効果が実感できる方々がいる、ということは言えます

いずれにせよ、「万人に合った治療法」というものは未だ確立できません。というより高齢者は一人ひとりが微妙に症状が異なり、それぞれにあった治療法を探っていかねばならないことを強く感じております。いわば流行りの言葉で言うところの「テーラーメード医療」なのでしょう

 そんなこんなでまだまだ迷い路にいる私です