コウノメソッド徒然草

その10 だんだんとイロイロな患者さんがやってくるようになりました


コウノメソッド実践医に登録して、もうすぐまる4年になろうとしています。4年もやっていれば、さぞかし経験も積んだであろうとい割れたいところですが、実際はそうもいきません。

何せ三鷹の外れ、交通不便なところにある零細診療所です。コウノメソッドを求めて患者さんが遠方から来院するのに一苦労するところにあります。来院される患者さんは三鷹市、調布市、遠くは東大和、小平近辺から来院される方もおられます。その一方、なぜか隣の世田谷からの来院者は多くないようです。

認知症として治療に当たる患者さんは以前から診察していた方がお歳を召してきて認知症を発症してくると言うパターンも増えてきました。そりゃ10年以上診察を続ければ相手も年をとってきます。こうした昔から診察している方の場合には確かにアルツハイマが多いようです。「物忘れがひどいが明るい性格」と言った方が多いようです。その中にレビーっぽい、脳血管型認知症のようなケースが混ざっていると言った印象です。

 それに対し、「コウノメソッドによる治療」を求めて来院される方の場合はレビー、ピック、LPCその他のケースの場合が圧倒的に多いようです。要は地元の医療機関で症状がよくならないのでコウノメソッドに期待を抱いて来院されるわけです。面白い?ことに単にレビーやピックの場合には多くのケースでは前医で処方されていた薬剤を減量〜中止することにより症状の改善を見ることが多いようです。よーく考えればワタシがやったことは薬を減量〜中止しただけで、治療らしい治療は行っていないことがあるのに症状が改善しているようなのです。これって妙な話ですね?

 さらに最近は紹介でPSP(進行性核上性麻痺)の患者さんが増えてきたり、また特別養護老人ホームなどの施設に入所中の患者さんをよく観察してみると「これってMSA(多系統萎縮)じゃないの?」と思ったり、やはり施設の患者さんの歩く姿を見て「あれはCBD(大脳基底核変性症)ではなかろうか?」と思うこともしばしです。言い方は悪いですが施設の入居中の方は高齢&認知症のため大病院からは積極的な治療は放棄?されているような方が少なからずおられます。そうした方を見ていると、その中には実は「PSP,MSA,CBD」である方が案外多いのでではないかと思えてきます。

 まあもっともいずれの疾患も現在の標準的な治療では有効な薬剤はないとされている疾患です。そうしたこともあって大病院では「有効な薬はないので経過を見ているだけ」であり、そのうち認知症などの進行により施設に入居という状況になっているケースがあると思われます。

しかし、その中でも特にPSPなどはコウノメソッドによる点滴療法などで改善する余地は十分あると思われます。当方の経験ではMSA, CBDに関してはまだ著効例というものはありませんが(効いているのかもしれないというケースはありますが、断言できない)あきらめるには早いと言った感じです)。何れにせよ十分に進行してしまった例では、もはや何をやっても効果がない!場合もあります。早めに対応することが必要ではないかと思うこの頃です。(点滴療法は自費診療になり、それなりの費用がかかることが欠点と言えば欠点ですが)

 それにしてもコウノメソッドを導入する以前は考えたこともなかった疾患の方が来院するようになり非常に勉強になります。50歳半ばを過ぎても勉強勉強の日々なんですね