分類不能項目


Vol. 60

2014. March.19

〜プラモとの再会〜


 

 実家に行くと少ないながらも子供の頃の思い出の品々があります。その中にプラモデルがあります。小学生の頃はプラモが好きでよく組み立てたものです。しかしその大部分は引っ越しなどを契機に処分することが多く、現在は数個だけ捨てずに残されたものが存在します。

実家には箱に入れたまましまってありますが、さすがにホコリが付いて部品もあちこち脱落したり破損したりしています。ですが思い出が詰まっており今更捨てることも出来ません

先日、何気なくインターネットを見ていたら何と当時作ったプラモデル達が未組み立ての状態でオークションに出展されていました。
 さすがに40年以上前のものばかりなので高価かと思いきやそれほど高くない。入札したところ手に入れることが出来ました

まずはこの旧帝国海軍戦闘機「雷電」です。メーカーは「ニチモ=日本模型」というもので縮尺は1/72で手のひらに乗るサイズです。当時(昭和40年台後半)は100円で販売されていました。

J2箱

ニチモの絵柄は「落ち着いた」印象がありました


 箱を開けると濃緑色(機体の色)をしたパーツで構成されているのがわかります。これは当時のものなのか、それとも再生産品なのかはよくわかりませんが、あちこち「バリ」といって、プラスチックのはみ出した余計なものがついています。記憶では確かニチモの製品は比較的バリは少なかったようなきがするのですが定かではありません。最も当時はバリなんて、さして気にせずカッターでそぎ落としていました。

jj2in

中はあっさりとした感じ

12

いわゆる「バリ」と呼んだプラスチックのはみ出しや、車輪パーツの側面にはポッチリ丸いへこみがあったります


 当時、ニチモ製品は「精密で初心者向けではない」というイメージが有りましたが、今になって思うと当時は100円で販売されており、どう考えたって「こども」を対象としたもので、それなりに簡単に組めるようになっていたはずです。

 

次は、やはり旧帝国海軍零式艦上戦闘機、いわゆるゼロ戦です。これは確か小学生の頃作成したものだと思います。メーカーは「エルエス」といって現在は存在しないメーカーです。価格はやはり100円です。記憶では100円だまを握りしめ、この模型を探し求めて自転車であちこちのおもちゃ屋、文房具屋(当時は文房具屋でプラモがたくさん販売されていた)を巡ったものでした。
 調べてみるとこのモデルは昭和39年頃に販売開始されたようですが、当時はこのサイズでは「決定版!」とかいわれたものです。当時の流行でプロペラはもちろん、脚は引き込めることが出来てフラップ、補助翼、方向舵、キャノピー(風防)も動作可能というものでした。
 手に入れたものは当時のものと箱絵のデザインが異なります。これこそ再販品と思われます。

ア6

これが手に入れたものですが当時のものと異なるようです

A6original

ネットで検索して見つけた私がかつて購入したパッケージ。よく見ると機体の絵は同じですが背景がシンプルになっていました

箱を開けると、これも製品のバリがすごい!エルエス製品は当時からバリが多かったと思いますが、こんなひどかったかなあと思うくらいバリが目立ちます。更に組み立てるとあちこちガタが出たりしたような気もしますが、当時はさほど気にしませんでした。正直、所詮こども向けのプラモデル!という感じですが当時は熱中したものでした。

いん

入手したものは設計図は無く、一部パーツも欠落していました(それを承知で格安で購入)

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日の丸までモールドされているのが時代を感じさせます

脚

金型が古くなったのでしょう。脚パーツはプラスチックの固まりのようです。昔はここまでひどくはなかったはずです

pilot

パイロットは昔から出来は良くなかったですが、ブロンズ像のようになってしまっています

 

このLS製は当時は「定番」とも言えるものでヒコーキ小僧ならばたいがい誰しも一度は作ったことがあるものでした

 

 

2つの製品とも現代のものと比較すること自体ナンセンスでしょう。現代のものは同じサイズでも1000円以上しますし、精度も桁違い。そもそも部品点数も多くなり「こどもがおこずかいで買えて楽しめる」ものではなくなっています。

 

ところで実家に置いてあるものと言えば

J21J23

こちらが雷電、中1くらいのときにつくったのかなあ?

J2t

一応塗り分けてはいるようです

今回気がついたのですが、右翼の先端付近にある銀色の棒は「ピトー管」という速度を測定する器具なのですが、本来これは左翼にあるべきものなのです。私が間違えたのではなく、模型自体のミスと思われます

 

j2cockpit

操縦席を見ると計器盤はチョンチョンとそれらしく色を塗っています。それにしても操縦桿はこん棒のように太いです!

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ア6Mア6

こちらは零戦です。汚れた感じを出そうと銀色の塗料を側面に塗っていますが、文字通り「汚れて」います

スプレーなどは持っていなかったのですべて筆で塗ったと思われます。小学生の頃に作ったのかなあ、、、?

propella

プロペラは右上方のモノが折れかけたので無理矢理接着剤で固めているようです

がらんどう

下から見ると脚収納部から上面までがらんどうなことが分かります。当時のプラモデルなんてこんなものでした。
一応隙間を隠すために自分で色を塗った紙をはさんで隙間を隠そうとしていますが半端に終わっているようです

聞くところによるプラモデル自体の販売も低迷しているそうです。子どもの少子化などの影響もあるかと思いますが、なにより「こどもが気軽に楽しめる」ものでなくなりつつあるのも事実のようです。そう考えると私の少年時代はプラモデルの黄金期だったのかもしれません

この2つともとりあえず大事にとっておくつもりです