分類不能項目


Vol. 55

2012. August.12

楽しい工作教室〜ヘッドホンを修理する〜


 先日、オークションで中古のヘッドホンを落札しました。ちょっと豪華にソニーのMDR-CD900STというものを手に入れました。

プロの音楽、音響制作の現場で、圧倒的な支持を得ているプロのミュージシャンやサウンド・エンジニア向けに製作された ヘッドフォンです とのことです

もともと改造しようと思って手に入れたので程度は余り気にしませんでした。
 ところが!試聴するとなんとなんと右側から
音が出ません!!!しまったあ!!不良品ではないですか!!出品者に一応連絡をとるも「すみません」とのことですが引き取る気も無さそう。まあそもそもいじるつもりだったので自分で修理することにしました。
 ヘッドホンの故障なんてだいたい接触不良に決まっています。スピーカー不良だったらちょっとめんどくさいですが配線だけなら何とかなります
 

とりあえずイヤーパッドを外します(元画像はここから)

さらに分解します(これも借用画像です)

各々テスターで導通をチェックしたところR-ch(Hot)が断線していました(これも借用画像です)

早速分解してテスターで調べてみると、やはり一本に導通がありません。試しに手元にあった線をつないでみると、おお!あたりまえですがちゃんと音が出ます。これで原因ははっきりしました。

青いコードが仮の配線です


 そこできちんと修理することにしました。
 まずはバラバラにします。案外細かい部品があります。特に「耳あて」部分の位置をスライドさせる部分は小さいスプリングと2mmほどのベアリングがあり芸が細かい!

スライド部分を分解します。左側の部分がスライドして耳あての部分を動かして頭に合わせます

部品を見ると真ん中のくぼみにベアリングあり、その下にスプリンが入っています。これが上の写真のスライドする部分のくぼみにあたって、カチカチとした手応えを得るようになっているのですね(ところが小さすぎて片方のベアリングを途中飛ばしてしまい無くしてしまいました)

改造のお手本にしたのはここからです(画像も何枚かお借りしています)
 
 左右を結ぶ線は新たに配線することにし、古い配線は抜き取って新たに配線します。ハンダ付けもやり直します。

新たに配線をやり直し、ハンダ付けをします

頭部のバンドの中を通る配線は、ちょうど穴の開いたガイドのような金属が入っていたので、それを利用して通しました

無事通すことができました

でも線がばらけていてちょっとかっこ悪いです

そこで裁縫用の糸で外科結びをしました

とりあえず完成


 
 そこからさらに改造。平衡化といって手のこんだものにします。もともとは左右から2本ずつ来ている配線は、そのうち2本を一本にまとめられるのです。ところが平衡化というのは2本をまとめずに4本をそのまま配線していくのです。そのため端子もキャノン端子というものを使用します。ケーブルもそのために一本のケーブルに4本の線が入っています。これを各々配線していきます。

これがキャノン端子。ピンが5本のタイプ(オス側)です

ごちゃごちゃと接続します(メス側)

こんなふうになります

でも現在私はこのようなキャノン端子を接続する機器を持っていません。そのため平衡化したヘッドホンをさらに普通のヘッドホン端子に変換するコネクタも作りました

通常のヘッドホンジャック用の変換コードもついでに作成しました

変換コネクタを接続してとりあえず完成


 
 
 さて無事完成!音を聞いてみると綺麗に音が出ます。といっても購入時は普通に音が出なかったので音が良くなったかどうかはわかりません。


  でも自分で修理したヘッドホンで聞く音楽はなんとなく楽しいものです